静寂宣告/Render Silent

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/07/03

静寂宣告/Render Silent

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「皆が静かになるまでに5分かかりました」って言われた経験、ないだろうか。主に校長先生がね、朝礼でね。全校生徒が多ければ多いほど、この時間は長くなるだろう。いつも心の中で「こんな嫌味を言われるから僕らは静かにならんのや!おもろい話したら黙って聞くがな!」なんて生意気なことを思っていたものだ。

 

今思えば、校長先生は何故、待っていたのだろうか。あれは待つという、優しさだったんだろうか。力でねじ伏せても意味はない、と僕らに教えようとしてくれていたのだろうか。個人的には、時にはガツンと暗黒面を見せるような先生でも良いと思う。「静かにせんかァァァッッ!」

 

...これが良いか悪いかは別として、マジックには強制的に黙らせるカードというものが確かに存在する。

 

 《静寂宣告》もそうした呪文の1つである。名前がね、もう強い。アゾリウス評議会ってのはラヴニカの青白ギルド、法を作成し秩序を維持することを目的としているが、僕から見れば結構怖い人たちで...。

 

自身が作成した法を振りかざしてくるなんて、恐ろしいったらありゃしない。静かに片田舎で暮らしていたら「違法や違法!」ってそりゃないよな...。そんなアゾリウスが秩序のために執行する魔法がこの《静寂宣告》。フレイバーを読むに、呪文を押収することでそれを唱えられなくするというメカニズムのようだ。

 

カードとしても、呪文を唱えられなくするもので。しかしそれはサブプランとでも言おうか、メインの効果は呪文の打消しである。カウンター+αなカードの常として、副次作用を得るにはそもそも相手が動いてくる必要があり、自分のタイミングで唱えられないのが難点だったりする。

 

このカードの場合、そのオマケの部分はこのターン、対戦相手は呪文を唱えられなくなるというもの。これは古くより、自身のターンに用いてコンボの邪魔を未然に防いだり、連打することでロック状態に持ち込むといった能動的なアクションとして用いられてきた。それらと比べると、相手の呪文をカウンターしてから得られるこの効果は、その旨味をフルに活かせるわけではない。

 

攻めの能力を守りで用いている訳だ。相手の後続を1ターン完全に防ぐ、というのは悪くはないが、そこまで素晴らしい訳でもない。そもそも、相手が1ターンに何度もアクションしてくるデッキでなかった場合はこれは使いにくい《取り消し》に過ぎない。

 

 むしろこのカウンターは、先にあげた同様の効果を持つ攻めのカード達に対して非常に効果的だ。《沈黙》なんかはこれが通ればコンボが決まる、通らなくてもカウンターを1枚使わせるおとりになる、という点で強力なのだが、この呪文でそれらのおとりを打ち消せば、本命もろとも抑え込むことが出来るという塩梅。目には目を、静寂には静寂を。


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