貪欲なるヒヒ/Ravenous Baboons

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/08/25

貪欲なるヒヒ/Ravenous Baboons

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 ヒヒ、と聞くとあまり良いイメージは浮かばないかもしれない。ヒヒとは、アフリカ大陸を中心に生息している中型のサルの仲間(オナガザル科ヒヒ属)の総称。マントヒヒで知られる、目から鼻が離れた犬のような独特な頭部を持つサルたちの事だ。犬歯を剥き出しにして威嚇している姿を見たこともあるだろう。ヒヒというのは日本語で、狒々という妖怪からつけられている。「人によく似たざんばら髪の山に住む物の怪」とのことで、江戸の頃などに描かれたイラストも割とヒヒそのもので、大陸を越えて動物の情報が伝聞して行った結果妖怪になったというよくあるパターンだろう。この妖怪、女性を攫うとのことで...ここから好色な中年男性を「ヒヒジジイ」と呼ぶようになった。それと、上述の攻撃的な姿が合わさりヒヒ=ネガティブなイメージを抱いてしまう人は少なくないだろう。

 

 さて、マジックの世界にヒヒは...しっかり生息している。次元ラースに生息するのは、その荒れ果てた世界を体現するかのような狂暴種、《貪欲なるヒヒ》だ。フレイバーテキストからも伺えるその破壊衝動に満ちた習性は、基本でない土地を破壊するという能力で表現されている。その土地を徹底的に荒らし尽くして、マナも生み出さないすっからかんの状態にしてしまうのだろう。土地破壊能力を持つクリーチャーは『エクソダス』時点では珍しいもので、4マナ2/2と戦闘力は薄くてもアドバンテージがとれるなら上等。当時は《真鍮の都》《反射池》《知られざる楽園》と強力な5色土地に支えられたデッキが多かった。そいつらに地獄を見せろってこったな?ウキキーッ!

 

 ...犬歯剥き出しの彼らには悪いが、使われなかった。特殊土地対策としては既に最強の1枚《不毛の大地》が存在した。それと《冬の抱擁》《忍び寄るカビ》など、土地を攻める戦略はどちらかと言えば緑を中心としたものであった。それらの軽さや対象に困らないカードと比べると、どうしてもカードパワーに劣ったのだ。

 

 さらにこのカードの登場から1年を待たずして《なだれ乗り》というアッパーバージョンが登場。このカードは使われまくった、そして誰もがヒヒのことを思い出さなくもなった。

 

ちなみに『エクソダス』の土地破壊をテーマとした構築済みデッキ「大地壊滅」のパッケージを飾るも、同デッキには収録されていない。こんなことってあるのか!?次元ラースには他にも《ラースの猿人》が生息しており、割とモンキーパラダイスのようだ。ラースサファリとか行ってみたい。そして車ごと《根切りワーム》にガボーッ。


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