分かち合う運命/Shared Fate

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/09/02

分かち合う運命/Shared Fate

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 マジックも万を超えるカードがデザインされている。22年という年月、数千万のプレイヤー、携わる者と時が増えれば、自ずと浮かび上がってくるのが狂気。優等生なカード、問題児なカード、数多ある顔ぶれの中に時折「異常」としか表現の出来ない、イカレちまった1枚が登場することがある。これらのカードは、マジックがカードで表現できることの限界に迫った、挑戦の結果である。その結果、毒でも薬でもない何かが生まれ、時にそれに魂まで魅入られてしまったプレイヤーが憑りつかれたように専用デッキを延々構築し各地のイベントに出没したりする。

 

 《分かち合う運命》は、そんな発禁手前のヤバすぎカード群を代表する1枚である。僕は、このカードを使用されておかしくなってしまった人物を知っている。それも止む無し、こんなカード使われて、万が一ハメられてしまった場合、心がまともでいられるはずがないのだ。ジョーカーの台詞で「俺の信念はこうだ"死ぬような経験をした奴は イカれる"」というものがあるが、まさしくそうだ。その人物はしばらく、このカードの幻影にまとわりつかれ、遂には自身でもデッキを制作するに至った。それほどまでに恐ろしい、このカードの能力とは。

 

 ややこしく書いてあるが、平たく言えばお互いのドローを入れ替えるというもの。これが戦場に出たら、そこから先のリソース獲得は相手のデッキから行うことになる。例えば、これが入っている青単のデッキで黒単のデッキと当たったとしよう。5ターン目にこれを貼ったら、そこから先黒単側は青単デッキを用いて対戦を行うことになる。逆も然り、青単側のこっちは《沼》と黒いカードを引いてそれらを用いてゲームを行っていくことになる。読んでいてわけわからんと思うが、こっちも書いていてわけがわからん。相手から有効なドローを奪うというのはよくわかる。特に相手がコンボデッキだった場合、そのパーツが揃うことは未来永劫ないだろう。このカードの特性が活きるってなもんである。ただ、それに自分も合わせる必要は...あったのか?何故わざわざ、自身のデッキで使えるともわからない相手のデッキのカードを、自ら引きに行く必要が?

 

 先にあげたある人物がイカれちまった事件ってのは、《地ならし屋》とこれを組み合わせた凄まじいデッキによってもたらされた。そいつはちょっと土地を多めに引いて攻めるのにモタついている時にこの2枚をバンバンと並べられ、リソースを断たれた状態で10/10と自分のデッキのクリーチャーに殴られ続けて敗北するという地獄。経験したのは誰かって?お気づきの通り、僕だ。あの日を経験しなければ、マジック人生もまた変わったものになっていたのかもしれない。


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