「Christine Sprankle モダン」ROUND1 石井泰介 vs 櫻井一世
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「Christine Sprankle モダン」 ROUND1 石井泰介 vs 櫻井一世
text by Seigo Nishikawa
"モダンの魅力"ということで、4人のプレイヤーにインタビューをお願いした。これはランダムで選ばせていたのだが、対戦表を見るとそのうちのお二人がマッチングされている。これもモダンの導きであろうか。自然とお二人をフィーチャー席にお招きすることと相成った。
Game1
ダイスロールに勝利した櫻井が《沸騰する小湖/Scalding Tarn》。石井が《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》から《彩色の星/Chromatic Star》でゲームをスタート。インタビューに従えば櫻井は《欠片の双子/Splinter Twin》、一方の石井は《蔵の開放/Open the Vaults》ということになるであろう。
石井の《胆液の水源/Ichor Wellspring》を《差し戻し/Remand》する櫻井。1ターンを稼いだ後、続く石井のアップキープには《やっかい児/Pestermite》。
石井は再びの《胆液の水源/Ichor Wellspring》をキャストするも、櫻井が4枚目の土地を出し、そこに手をかけると
石井「双子ですか?」
櫻井「双子です」
さっとデッキを片付ける石井。完璧な流れを見せ付けた櫻井がまずは1本目を勝ち取った。
石井 0-1 櫻井
Game2
「数多くのデッキがあって対策が絞りきれないのがモダン」と語る石井だが、《欠片の双子/Splinter Twin》といえば押しも押されるトップメタの一角。もちろんこれへの対策は万全であろう。
先手の石井が頷くのに対して、土地が《山/Mountain》1枚の櫻井は即座にマリガン。再びの手札も《硫黄の滝/Sulfur Falls》1枚のみだが、《血清の幻視/Serum Visions》と《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》があるため、この6枚を受け入れる。
石井は《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》から《予言のプリズム/Prophetic Prism》《オパールのモックス/Mox Opal》《彩色の星/Chromatic Star》と流れるようにキャスト。櫻井は先の《硫黄の滝/Sulfur Falls》をセットするや、次のターンには土地を引き込めないものの《血清の幻視/Serum Visions》で1枚をトップに残す。これはほぼ間違いなく土地であろう。
石井は3ターン目にキーカードたる《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》キャストすると、次々とアーティファクトをマナへ、そしてドローへと変換していく。送り込まれたアーティファクトは2マナへと変換され、溢れんばかりのマナから、《信仰の見返り/Faith's Reward》にまでつなげる。
破棄されたはずのアーティファクトが場に戻り、再び石井のライブラリーが彫り進められる。
それでも手札に《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》を抱える櫻井は、石井の動きがどこまで続くかを見守り続ける。そんな櫻井の願いが通じたか、石井はフィニッシュまでたどり着くことはできず、櫻井へと主導権が渡される。櫻井は《滝の断崖/Cascade Bluffs》をおくと、《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》で一息。
これに石井は若干思案するも最終的には受け入れざるを得ず、あれだけ戦場を賑わせたアーティファクトが手札に戻る。石井は、出せる限りのアーティファクトを場に戻し、不要牌を整理することで、来るタイミングに備える。
続くターン、櫻井は《僻地の灯台/Desolate Lighthouse》を出してターンを終えると、石井は櫻井に《沈黙/Silence》を命ずる。櫻井は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》。先ほど戻した《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》を抜き取らんとするが、その隣に2枚目の鉄工所。
これに思わず「2枚目引いてましたか」と頭を抱える櫻井。それでも直ぐに思考を切り替え、石井のフィニッシャーたる《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》を排除。石井の《沈黙/Silence》は無事解決。
安全な1ターンを得た石井。アイアンワークスをキャストすると再びアーティファクトの回転を開始……しようとするのだが、《彩色の星/Chromatic Star》から得たカードは土地。ドローを続けるカードが無い石井、チェーンを継続することができない。やむなく《停止の場/Suspension Field》をセットしターンを終了。
動きを止めた石井を前にする櫻井だが、《停止の場/Suspension Field》がある状況では双子コンボにも持ち込むことができない。こちらも《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》で攻撃するのみでエンド。
石井は《蔵の開放/Open the Vaults》を引き込むがまだ動けるタイミングには無い。5マナに達している櫻井は《対抗変転/Counterflux》を構えるか《嵐の神、ケラノス/Keranos, God of Storms》を追加して圧力を強めるかの二択から、意を決して後者を選択。
石井にとっても櫻井にとってもここが分水嶺。石井が動き出す。場のアーティファクトを4枚墓地に送り、8マナをひねり出すと、先に引き込んだ、《蔵の開放/Open the Vaults》を手札から解放。思わずのけぞる櫻井。
今度こそ石井は決めきりたい。
自身が出している《停止の場/Suspension Field》を前に予定以上のマナの消費を強いられるものの、《写本裁断機/Codex Shredder》に9マナを支払って《信仰の見返り/Faith's Reward》を回収。
櫻井は思わず苦笑いしながら「どうやっておわりますか?」と問うと
石井「今場にあるカードで無限ドローができるので、ライブラリーのそこにある《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》を引き込む前にライブラリーから落としてリシャッフル。再度全てのカードを引き込んでエムラクールをキャストします」
櫻井「わかりました、ありがとうございます」
櫻井投了
石井 1-1 櫻井
Game3
櫻井、石井ともに自身のデッキの何たるかを見せ付けたGame1とGame2。この試合でその真価を発揮するのはいずれのプレイヤーになるか。
櫻井は《島/Island》から《血清の幻視/Serum Visions》《滝の断崖/Cascade Bluffs》と今度はスムーズな立ち上がり。石井の《精神石/Mind Stone》も《差し戻し/Remand》して順調にターンを稼ぎ、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》とつなぐ。
明かされた石井の手札は
《平地/Plains》
《精神石/Mind Stone》
《予言のプリズム/Prophetic Prism》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《胆液の水源/Ichor Wellspring》
《蔵の開放/Open the Vaults》
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
石井の土地が《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》と《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》であることを指差し確認。続いてテゼレットのダブルシンボルを再確認した上で、マナ数と相手の動きを計算した櫻井は、この状態のキープを選択。
石井は、《平地/Plains》《精神石/Mind Stone》《予言のプリズム/Prophetic Prism》を置いてターンを終了する。
櫻井は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》で攻撃すると、石井のアップキープに《やっかい児/Pestermite》で《予言のプリズム/Prophetic Prism》を縛る……しかし石井がセットするのは無情にも《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》。
櫻井「無かったですよね?」
石井「今引きました」
石井は《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》を呼び込むや即座にこれを《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》へと変換。マナを生み出し、手札へと変えるというカードロンダリングを開始する。石井の蔵である墓地が開放されると、そこに放り込まれていた《胆液の水源/Ichor Wellspring》は石井に《信仰の見返り/Faith's Reward》をもたらす。
これが公開されると
櫻井は頭を垂れた。
石井 2-1 櫻井
石井Win!