「ホビステ協賛コンプリートモダンRound3　林政孝 vs 吉田昌弘

「ホビステ協賛コンプリートモダンRound3　林政孝　vs　吉田昌弘 text by Tsujimoto Tomoya モダンのデッキは多種多様。大会が開かれる度に目新しいデッキが発見できる。 このマッチアップでも両プレイヤー共にかなり珍しいデッキを使用していた。 ソウルシスターズに赤がタッチされたノリンシスターズをプレイする吉田。 マジックオリジンに収録された《溶鉄の渦》が軸となる赤緑のロームデッキを使用する林。 勝敗は全く予想できない、コンプリートセットに近づくのはどちらだ。 Game1 先行は吉田、繰り出したクリーチャーは《教区の勇者》。そして続くターンには《二の足踏みのノリン》が戦場に送り込まれた。 ノリンがいる限り《教区の勇者》は育ち続ける。こういった《二の足踏みのノリン》による強力なシナジーこそがノリンシスターズの強みなのだ。 一方二の足を踏んでいるのはノリンだけではなかった。 林、赤マナが引けておらず困った様子。渋々《幽霊街》を自分の土地にプレイし《山》をサーチする。 その間に吉田は更に盤面を強化していた。《起源室》と《二の足踏みのノリン》によってもたらされた大量のトークンと、タルモゴイフもびっくりの1マナ8/8と化した《教区の勇者》が林に襲い掛かる。 もはやデッキ内の除去では対応できない盤面を前に林は投了を余儀なくされた。 林　0-1 吉田 Game2 両者キープを宣言しゲームスタート。 先行の林は《桜族の斥候》を繰り出す。 吉田は《魂の従者》をプレイした後《抑制の場》を設置し林の動きを阻害する。 《抑制の場》があれば《溶鉄の渦》も《桜族の斥候》も起動しづらくなる。これには林も渋い顔となった。 だが吉田もあまり良い状況という訳ではなかった。妨害カードこそ引いたものの、肝心のクリーチャーを引き込めていなかったのだ。 吉田が《魂の従者》のみでの寂しいビートダウンを続けていると、やがて林の土地は五枚に達し《雷口のヘルカイト》が現れる。 1点と5点のダメージレースでは到底勝ち目の無い吉田は、引き込んだ《教区の勇者》に望みを託す……しかしここで林がプレイしたカードは 《火山の流弾》だった。 なけなしのクリーチャーも全滅し、《雷口のヘルカイト》も対処できない吉田は静かにカードを畳むのだった。 林　 1-1　吉田 Game3 3ゲーム目は両者自信の感じられるキープ宣言で開幕した。 先手の吉田は《魂の従者》、返しのターンに林は《溶鉄の渦》を設置した。 一枚ずつクリーチャーを焼かれては攻めにくい吉田だが、《アジャニの群れ仲間》をプレイ。《魂の従者》によって即カウンターが乗り3/3へ、これで《溶鉄の渦》の圏外だ。 しかし林も易々とクリーチャーを残さない。《稲妻》により《アジャニの群れ仲間》を焼き一命を取り留める。 そして続くターン林は《原基の印章》を設置、厄介な《抑制の場》に睨みを利かせた。 対する吉田は2体の《魂の従者》で林のライフを削る。《溶鉄の渦》を起動しない林、手札には《火山の流弾》があった。 おそらく吉田が追加でクリーチャーを出してから一気に除去するつもりなのだろう。 《火山の流弾》の臭いには吉田も気がついていた。吉田は手札にある《教区の勇者》と《二の足踏みのノリン》を出すのか少考。 そして《火山の流弾》をケアする事に決めた吉田、吉田の読みは正解だった。 《火山の流弾》が吉田のクリーチャー三体を焼く、大幅なテンポロス。だが5体焼かれるよりマシだったのは確かだ。 温存しておいたクリーチャーは出してすぐ林に焼かれてしまったが、やがて吉田は勝利へと繋がるカードを引き込んだ。 《鍛冶の神、パーフォロス》だ。いくら林が《溶鉄の渦》でクリーチャーを対処できるとはいえ、《鍛冶の神、パーフォロス》がある限り2点ずつダメージが蓄積されていく。 林にはもう逆転のための時間も、ライフも残されていなかった 林　1-2　吉田 吉田win!