【GP名古屋2016】レガシー選手権 Round5 渡邊 和貴(神奈川県)対 伊藤 基樹(三重県)
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【GP名古屋2016】レガシー選手権 Winter Round5 渡邊 和貴(神奈川県)対 伊藤 基樹(三重県)
by Tatsuo Sekimoto
「お互い気持よくプレイしましょう」。それが二人の合言葉だった。
ここで勝てばID抜け確定の大一番だが、二人に取ってはもっと大切なことがあった。それは如何に対戦相手と楽しいひと時を共有できるかだ。是が非でも勝利が欲しい場面で相手を思いやれるのはきっと得難いことなのだろう。
そんな二人の経歴は対照的だ。渡邊はGP自体参加するのは2回目。本戦はまだ経験したことがないそうだ。伊藤は本戦参加経験もあり、レガシーもそれなりに長い期間プレイしているそうだ。
全く背景が違うが共通の意識を持った二人の対決。果たして勝敗の行方は。
Game1
(伊藤 基樹)
先手の伊藤は《Karakas》から《ルーンの母》。まずは白の防衛線の要を出す。
後手の渡邊の初動は《沼》から《思考囲い》。
《緑の太陽の頂点》 《吹きさらしの荒野》 《地平線の梢》 《Bayou》 《不毛の大地》渡邊は公開された5枚の伊藤の手札から《緑の太陽の頂点》を奪う。スペルを失った伊藤に2ターン目の目立った動きはない。 それをしり目に渡邊は《闇の腹心》、《ヴェールのリリアナ》とたたみかける。《ヴェールのリリアナ》で《ルーンの母》を処理すると、《闇の腹心》をレッドゾーンに送り込む。 このタイミングで伊藤の手札には《スクリブのレインジャー》が合ったのだが、相討ちは選択せず。エンド前に《スクリブのレインジャー》を出し《ヴェールのリリアナ》を落とすことを優先する。 《ヴェールのリリアナ》こそ失ったものの、《闇の腹心》が供給する土地を背景に渡邊は順調に土地を伸ばし《血編み髪のエルフ》まで繋げる。《血編み髪のエルフ》は《死儀礼のシャーマン》をめくり戦線を強化した。ここで渡邊が3色目を見せたことで互いのデッキが判明した。渡邊はジャンド、伊藤はDark Maverickと呼ばれるデッキだ。 《血編み髪のエルフ》が出たことにより勢いづく渡邊。《闇の腹心》こそフェッチランドからの《ドライアドの東屋》で打ち取られるも、渡邊はさらに《死儀礼のシャーマン》を追加し攻撃の手を緩めない。 さらに渡邊が《タルモゴイフ》を追加したところで伊藤はたまらず《剣を鍬に》をプレイする。 《タルモゴイフ》は農場へ旅立ったが、結果2体の《死儀礼のシャーマン》が伊藤のライフを蝕み続ける。 何とか《血編み髪のエルフ》だけでも《スレイベンの守護者、サリア》で止めようとする伊藤だが、渡邊の《突然の衰微》がブロックを許さない。 またたく間にすり減る伊藤のライフ。ブロッカーも尽き、手札が土地のみとなった段階で伊藤は次のゲームに進むことを決めた。 渡邊 1-0 伊藤 伊藤:「ジャンドかー。きついんだよなぁ」 渡邊:「やっぱりきついのですか?」 伊藤:「当たってしょんぼりしています(笑)」 と言葉とは裏腹に終始楽しそうな二人。だがトーク中もサイドボーディングの手が止まらないことが次のゲームの激しさを暗示していた。 Game2 両者7枚でキープ。先手の伊藤は《Savannah》から《死儀礼のシャーマン》。渡邊は《Badlands》から《稲妻》を唱え《死儀礼のシャーマン》を焼き払う。 返すターン、伊藤は《不毛の大地》で渡邊の《Badlands》を破壊しつつ《ルーンの母》をプレイ。渡邊も負けじと《沼》から《死儀礼のシャーマン》。と一進一退の攻防が続く。 伊藤は《森の知恵》をプレイしゲームの主導権を握りにかかる。《ルーンの母》がアクティブになった今、手札の枚数でも優位に立てれば勝利は近い。 だが、渡邊も簡単にゲームの主導権を渡さない。《Hymn to Tourach》と立て続けに2度唱え、伊藤の手札を全て落とす。 しかし伊藤はこの間に《緑の太陽の頂点》X=2で唱え《スクリブのレインジャー》を戦場に出す。これで《ルーンの母》が2回起動できるようになり、渡邊の手札の除去を腐らせる。さらに伊藤は《剣を鍬に》を引き込むとついに攻勢に出る。 《梅澤の十手》をプレイした伊藤。ついにゲームの均衡が崩れるかと思われたが、渡邊は《突然の衰微》で切り抜ける。 しかし、一難去ってまた一難。渡邊の前に今度は《漁る軟泥》が立ちはだかる。渡邊の墓地にクリーチャーはいないが、伊藤の墓地には《Hymn to Tourach》で落ちたクリーチャーが眠っている。 4/4まで育て上げた伊藤は渡邊に《漁る軟泥》で襲いかかる。これで残りライフが10になった渡邊。 渡邊は《ヴェールのリリアナ》のマイナス能力を起動して耐えようとするが、伊藤の場には《ドライアドの東屋》《スクリブのレインジャー》《漁る軟泥》《ルーンの母》と盛りだくさん。 当然、伊藤は《ドライアドの東屋》を生け贄に捧げ、攻撃を続行する。 結局5/5まで膨れ上がった《漁る軟泥》を渡邊は対処できず、伊藤が押し切った 渡邊 1-1 伊藤 Game3 (渡邊 和貴) 渡邊:「行きましょう」 力強い渡邊のキープ宣言が開戦の合図となった。 伊藤:「マジかー。そんな強い手札なのか」 と、ぼやきつつも伊藤も渡邊と同じく7枚の手札をキープした。 先手の渡邊は《思考囲い》。
《漁る軟泥》 《聖遺の騎士》 《緑の太陽の頂点》 《緑の太陽の頂点》 《盲信的迫害》 《Savannah》 《吹きさらしの荒野》渡邊はこの中から《盲信的迫害》を捨てさせた。 伊藤は《緑の太陽の頂点》X=0から《ドライアドの東屋》をサーチする立ち上がり。 だが、渡邊は《燃え柳の木立ち》から赤マナを生み出し《稲妻》。マナ加速を許さない。さらに渡邊は《思考囲い》を唱え、先程見えた《漁る軟泥》を捨てさせる。 伊藤は《緑の太陽の頂点》X=1で《森を護る者》をサーチ。返す渡邊は《罰する火》で《森を護る者》を除去。とお互い一歩も引かない。 ならばと伊藤は《罰する火》で焼けない《聖遺の騎士》を送り出す。だが、エンド前に《罰する火》を回収した渡邊はそのまま流れるように自分のメインに《突然の衰微》で《聖遺の騎士》を除去。 さらに《闇の腹心》を出し攻守を逆転させる。 除去のない伊藤は攻撃あるのみ。2体目の《聖遺の騎士》を戦場に出す。 アップキープに《闇の腹心》でめくれたのは《新緑の地下墓地》。普段なら宇宙と喜ぶところだが、今はスペルが欲しい。 《聖遺の騎士》を生き残らせることに成功した伊藤は《スクリブのレインジャー》をトップデッキし、戦線に加える。 渡邊のエンド前に《聖遺の騎士》を都合2回起動し、《暗黒の深部》と《演劇の舞台》を揃えた伊藤。 ドローを確認した渡邊は盤面を眺めた上で伊藤に握手を求めた。 「お互い気持よくプレイしましょう」。最初にそういった言葉に嘘はなく、二人は互いの健闘を讃えあった。 渡邊 1-2 伊藤 伊藤 win! 伊藤:「《スクリブのレインジャー》が流れを変えた!」 渡邊:「そう、あれで2回起動できちゃったもんなー」 Game2、Game3と戦線を支えた小さな英雄が伊藤に勝利をもたらした。 グランプリ・名古屋2016 サイドイベントカバレージページに戻る