【GP名古屋2016】MINT協賛 アーティストレガシー
タグ:アーティストレガシー, グランプリ・名古屋2016, レガシー
text by Seigo Nishikawa
数多くあるM:tGの魅力だが、その一つとして「カードを彩るイラスト」をあげる人は多いかと思う。ともすればデジタル的に成りかねない「カードゲーム」という存在と、緻密に組み立てられたアナログ的な世界感を結びつけるのに、これほど大きな存在も無いといっていいであろう。そんな魅力に取り付かれたプレイヤーは、「アーティストレガシー受付開始」のアナウンスと共に列を成す。
今回GPに来場いただき、冠としてその名をお借りしたのは、Steave Argyle氏とTyler Jacobson氏のお二人。
Steave氏と言えば《ヴェールのリリアナ》《死儀礼のシャーマン》《僧院の速槍》と言ったように、レガシーの大会に出れば必ず目にするカードを多く手がけられている。
それだけに、Tyler氏のファンは数多く、氏のアーティストプルーフを目指して大会参加と言う方もいることであろう。
一方のTyler氏の手がけられたカードを見渡すと、エルフデッキでよく使用される《自由なる者ルーリク・サー》が輝きを放つ。
それ以外のカードも昨今のスタンダードでは主力級に躍り出るものばかり。第2第3のルーリク・サーが眠っているかも知れず、これからも多数の作品が生み出されることを考えると、今プルーフを手に入れて損になることは全く無い。
54名のプレイヤーが席に座り、ヘッドジャッジの指示の基、第1試合が幕をあけた。ここから6試合、最後に笑うのはどのプレイヤーになるのであろうか。 ずらりと並ぶのは、戦場ではなく「墓地」。これぞレガシーのドレッジ。 ……だがその前には天敵《死儀礼のシャーマン》が立ちはだかる。 『ゲートウオッチの誓い』 からの新顔、《作り変えるもの》《難題の予見者》が早速登場。 プレイヤーの方にお話を伺ったところ「まだ(使うのが)2回目なので、これからと言ったところですが、とても強いと思います。とくに2ターン目に出る《難題の予見者》は凄い。高確率で出せますし」とのこと。 モダンで禁止になってしまったあの《欠片の双子》デッキも、レガシーではまだまだ使用可能。 マナを払って《引き裂かれし永劫、エムラクール》がキャストされる、まさにその瞬間だ。 奇跡コントロールvs《実物提示教育》の王道マッチ。この直後《引き裂かれし永劫、エムラクール》が呼び込まれてしまい……
5回戦の戦いを潜り抜け、全勝で最終戦を迎えた二人のプレイヤーの激闘を最後にお送りしよう。Steave氏、Tyler氏の手による世界に一つしかない特製アーティストプルーフはどちらの手に渡るのであろうか。 MINT協賛 アーティストレガシー ROUND6 壁屋敦史 vs 佐々木嶺 M:tGの対戦においてとても大事な要素として「決断力」というものがある。自身の手札、相手のデッキ、これまでに使われたスペルの枚数、環境に存在する有力なカード……それらが刻一刻と変わり続ける状況を冷静に読み取り、今自分にできうる最良の選択肢とは何であるのか、その取捨選択を間違えない選手こそが強いプレイヤーと成りえる。 壁屋と佐々木、相手を上回る決断力を持つのは何れのプレイヤーか。 Game1 両者はここまで全勝で来た関係上、隣通しに座ることも多く、お互いのデッキは概ね認識している状態だ。壁屋がRUGデルバー、佐々木がANTを使用している。ダイスロールで先手を得た佐々木は少し顔を綻ばせる。 実は佐々木、第4回BigMagicOpenレガシーで、RUGデルバーを使用し12位という成績を残している強プレイヤー。惜しくも最終戦で下当たりの結果、IDを選択できずベスト8を逃してしまったが、それだけにRUGデルバーがされて嫌なことは熟知しているのだ。 まずは《Bayou》から《強迫》とつなげ、壁屋の妨害手段を取り除きにかかる佐々木。 《Tropical Island》《霧深い雨林》《Force of Will》《敏捷なマングース》《敏捷なマングース》《タルモゴイフ》《渦まく知識》 から《Force of Will》をさっと指さし、最終的なフィニッシュシーンを迎える準備を整える。 壁屋は《Tropical Island》《霧深い雨林》とセットすると、《渦まく知識》で不要なカードをライブラリーの送り込む、これぞレガシーたる動き。そして自身の3ターン少し悩むも、最終的に2つの土地をタップし《タルモゴイフ》を送り出す。 壁屋の使用できるマナが1枚となったここが分水嶺と言えるか。壁屋もそれは十分にわかっているだけに《タルモゴイフ》を出してよいのかと言う判断に時間をかけ、だが出さないことには勝利できないことから、キャストを決断。 対する佐々木、《陰謀団式療法》を使用する。おそらく佐々木が指定してくるのは《Force of Will》であろう。まさにその《Force of Will》を1枚、そして《目くらまし》を抱える壁屋、打ち消すという選択肢もあるが、佐々木がまだ動かないことにかけ、《渦まく知識》で《Force of Will》をライブラリーのトップに戻す。 壁屋の手札には《秘密を掘り下げる者》《もみ消し》《霧深い雨林》《タルモゴイフ》《渦まく知識》が残される。 だが、折角相手がフルタップになるような状況を見逃すようなことは無い。佐々木は《陰謀団式療法》を使用した時点から、このターンに決めきることを決意していた。《暗黒の儀式》を皮切りに、一気にエンジンを回転させ始める。《陰謀団の儀式》《ライオンの瞳のダイアモンド》とつなげ最後の一枚は《冥府の教示者》。即座に《炎の中の過去》が唱えられる。 無抵抗状態の壁屋は、佐々木が次々とキャストするスペルに、静かに「はい」と許可を出すしかない。 ここまで今日だけで5試合、昨日までを考えれば何百回とストームを稼いだ佐々木の動きが止まることはない。最終的に《苦悶の触手》が公開されると、壁屋は「はい」の後に「ありません」と続け、第2ゲームへと頭を切り替えた。 壁屋 0-1 佐々木 Game2 先手となった壁屋は初手の7枚を見て自信を持ってキープ宣言。それに対して佐々木は少し悩むものの、ゲームの開始を承諾した。 壁屋は京都で研鑽を積むプレイヤー、どちらかというと地雷的なデッキを使用し大会での上位入賞はあまり無い、とのことだが、RUGデルバーを駆った今回、その自信あふれるプレイングはそんな話がまるで嘘であるかのような印象を与える。 そんな壁屋は《Volcanic Island》から《秘密を掘り下げる者》と、RUGデルバーにとって最高の動きでゲームを立ち上げる。一方の佐々木は、《島》から《水蓮の花びら》、そして《目くらまし》をケアした状態での《師範の占い独楽》を設置。細かな動きであるが、佐々木のレガシー環境へのというデッキに対する熟達さを感じさせる。 《秘密を掘り下げる者》は、続くターン《もみ消し》という知識の深遠に辿り着き、そのまま攻撃を開始。力強いキープ宣言が示すように、これをバックアップする壁屋の手札も実に充実。佐々木の《渦まく知識》に《赤霊破》を当て、佐々木の行動を妨害していく。 《Force of Will》 《Force of Will》 《もみ消し》 《稲妻》 佐々木の《強迫》によって暴かれる壁屋の自信を持った手札。思わず少し困り顔の佐々木。《Force of Will》を抜きたいところだが、セットしている《汚染された三角州》に少し目をむけ、やむなく《もみ消し》に指定を変えた。 《昆虫の逸脱者》が佐々木の体を蝕み、残りライフは9。佐々木はひたすら《師範の占い独楽》を使用し、解決策を探しにかかる。だがそこに望みのものは無く、エンドを宣言すると、壁屋から《稲妻》が飛ぶ。 これでライフは6、ということは。 壁屋は2枚目の《稲妻》を放ち、あっという間に勝敗をイーブンに戻すのであった。 壁屋 1-1 佐々木 Game3 お互いの持ち味を出し合った2ゲームが終わり、佐々木の手に再び先手権が戻る。 佐々木の《ギタクシア派の調査》が壁屋に襲い掛かる。 《ギタクシア派の調査》 《Volcanic Island》 《沸騰する小湖》 《もみ消し》 《狼狽の嵐》 《稲妻》 《稲妻》 を確認してから《陰謀団式療法》をキャスト。《稲妻》2枚を何もせぬ前に奪い取り、壁屋を強制的にダブルマリガン状態へと追い立てる。 佐々木「クロックがなかったので少しほっとしました」 だが、壁屋からは《秘密を掘り下げる者》が送り込まれる。思わず驚く佐々木。壁屋は強制ダブルマリガンも物ともせず、全く引けを取らないドローを見せ付ける。この《秘密を掘り下げる者》は1ターンの間こそ空けるものの《稲妻》を公開することで変身を遂げ、佐々木のライフに強烈なプレッシャーをかける。 一方の佐々木、2ターン連続で土地を引いてしまい、4ターン連続の土地セットとややマナフラッド気味か。それでもまだまだ負けを認めるわけにはいかない佐々木は《強迫》で壁屋から《狼狽の嵐》を奪い取り、そして同時にこれが最後の防壁であることを確認する。 《稲妻》を受けた佐々木、残りライフは4。 さすがに4枚目の《稲妻》は無いであろうから、自身に残されたのは残り2ターン。壁屋の手札は《もみ消し》と何か不明のもう1枚。ここでターンを返してよいのか、進むべきなのか。 悩んだ佐々木は意を決する。 《水蓮の花びら》 《ライオンの瞳のダイアモンド》 と設置すると、壁屋はGame1と同様に「はい」と答え、佐々木の次の動きを促す。佐々木は《蒸気の連鎖》をキャスト、まず自身の《ライオンの瞳のダイアモンド》を手札に戻し、続けてその対象を《昆虫の逸脱者》へと変える。 壁屋が少し逡巡するも、これを受け入れるのを見届けると、佐々木は《ライオンの瞳のダイアモンド》を再設置。《暗黒の儀式》そして最後の1枚は《冥府の教示者》! だが壁屋からこの《冥府の教示者》へ、対応することが宣言される。 壁屋の手から《もみ消し》が追放される。壁屋のライフが1減少する。佐々木から「ああ」という声が漏れる。 佐々木の知らなかった残り1枚のカードは《Force of Will》!! 全ての手札を失ってしまった佐々木は思わず天を仰いだ。壁屋は冷静に、しかし確実に止めを刺すべく、《秘密を掘り下げる者》を呼び出しターンを終えた。 佐々木が引き込んだカードは 壁屋 2-1 佐々木 佐々木「普段でしたら青いカードと知らないカードがある状況で、次のターンに負けないなら絶対に動きませんでした。《強迫》ドローは結果論だけど、完全に間違いですね……勿体無いです」 壁屋「間違いじゃないと思います。とても難しい決断だったと思います。あそこで引き込めていなかったらこっちの負けですし、引く可能性を1ターンあげるのと、どちらか良いのかと言うと」 佐々木「負けましたし、悔しいですけど、RUGデルバー大好きなんで、それに負けるなら良かったです。」 まるで古くからの知己であるかのように、にこやかに握手を交わした二人は、お互いの健闘を讃えあう。RUGデルバー好きという両者の共通点に話が咲き、試合後にはSNSのIDを取り交わしたのだという。M:tGとゲームと、GP名古屋という場所があったがゆえに導かれた二人。実に素晴らしい光景であった。
壁屋「大きな大会での優勝は初めてで、本当にうれしいですね。しかもプルーフかっこいい! イラストブックも凄くうれしい。」 GP名古屋サイドイベント、MINT協賛 アーティストレガシー優勝は 壁屋 敦史!!
グランプリ・名古屋2016 サイドイベントカバレージページに戻る
54名のプレイヤーが席に座り、ヘッドジャッジの指示の基、第1試合が幕をあけた。ここから6試合、最後に笑うのはどのプレイヤーになるのであろうか。 ずらりと並ぶのは、戦場ではなく「墓地」。これぞレガシーのドレッジ。 ……だがその前には天敵《死儀礼のシャーマン》が立ちはだかる。 『ゲートウオッチの誓い』 からの新顔、《作り変えるもの》《難題の予見者》が早速登場。 プレイヤーの方にお話を伺ったところ「まだ(使うのが)2回目なので、これからと言ったところですが、とても強いと思います。とくに2ターン目に出る《難題の予見者》は凄い。高確率で出せますし」とのこと。 モダンで禁止になってしまったあの《欠片の双子》デッキも、レガシーではまだまだ使用可能。 マナを払って《引き裂かれし永劫、エムラクール》がキャストされる、まさにその瞬間だ。 奇跡コントロールvs《実物提示教育》の王道マッチ。この直後《引き裂かれし永劫、エムラクール》が呼び込まれてしまい……
5回戦の戦いを潜り抜け、全勝で最終戦を迎えた二人のプレイヤーの激闘を最後にお送りしよう。Steave氏、Tyler氏の手による世界に一つしかない特製アーティストプルーフはどちらの手に渡るのであろうか。 MINT協賛 アーティストレガシー ROUND6 壁屋敦史 vs 佐々木嶺 M:tGの対戦においてとても大事な要素として「決断力」というものがある。自身の手札、相手のデッキ、これまでに使われたスペルの枚数、環境に存在する有力なカード……それらが刻一刻と変わり続ける状況を冷静に読み取り、今自分にできうる最良の選択肢とは何であるのか、その取捨選択を間違えない選手こそが強いプレイヤーと成りえる。 壁屋と佐々木、相手を上回る決断力を持つのは何れのプレイヤーか。 Game1 両者はここまで全勝で来た関係上、隣通しに座ることも多く、お互いのデッキは概ね認識している状態だ。壁屋がRUGデルバー、佐々木がANTを使用している。ダイスロールで先手を得た佐々木は少し顔を綻ばせる。 実は佐々木、第4回BigMagicOpenレガシーで、RUGデルバーを使用し12位という成績を残している強プレイヤー。惜しくも最終戦で下当たりの結果、IDを選択できずベスト8を逃してしまったが、それだけにRUGデルバーがされて嫌なことは熟知しているのだ。 まずは《Bayou》から《強迫》とつなげ、壁屋の妨害手段を取り除きにかかる佐々木。 《Tropical Island》《霧深い雨林》《Force of Will》《敏捷なマングース》《敏捷なマングース》《タルモゴイフ》《渦まく知識》 から《Force of Will》をさっと指さし、最終的なフィニッシュシーンを迎える準備を整える。 壁屋は《Tropical Island》《霧深い雨林》とセットすると、《渦まく知識》で不要なカードをライブラリーの送り込む、これぞレガシーたる動き。そして自身の3ターン少し悩むも、最終的に2つの土地をタップし《タルモゴイフ》を送り出す。 壁屋の使用できるマナが1枚となったここが分水嶺と言えるか。壁屋もそれは十分にわかっているだけに《タルモゴイフ》を出してよいのかと言う判断に時間をかけ、だが出さないことには勝利できないことから、キャストを決断。 対する佐々木、《陰謀団式療法》を使用する。おそらく佐々木が指定してくるのは《Force of Will》であろう。まさにその《Force of Will》を1枚、そして《目くらまし》を抱える壁屋、打ち消すという選択肢もあるが、佐々木がまだ動かないことにかけ、《渦まく知識》で《Force of Will》をライブラリーのトップに戻す。 壁屋の手札には《秘密を掘り下げる者》《もみ消し》《霧深い雨林》《タルモゴイフ》《渦まく知識》が残される。 だが、折角相手がフルタップになるような状況を見逃すようなことは無い。佐々木は《陰謀団式療法》を使用した時点から、このターンに決めきることを決意していた。《暗黒の儀式》を皮切りに、一気にエンジンを回転させ始める。《陰謀団の儀式》《ライオンの瞳のダイアモンド》とつなげ最後の一枚は《冥府の教示者》。即座に《炎の中の過去》が唱えられる。 無抵抗状態の壁屋は、佐々木が次々とキャストするスペルに、静かに「はい」と許可を出すしかない。 ここまで今日だけで5試合、昨日までを考えれば何百回とストームを稼いだ佐々木の動きが止まることはない。最終的に《苦悶の触手》が公開されると、壁屋は「はい」の後に「ありません」と続け、第2ゲームへと頭を切り替えた。 壁屋 0-1 佐々木 Game2 先手となった壁屋は初手の7枚を見て自信を持ってキープ宣言。それに対して佐々木は少し悩むものの、ゲームの開始を承諾した。 壁屋は京都で研鑽を積むプレイヤー、どちらかというと地雷的なデッキを使用し大会での上位入賞はあまり無い、とのことだが、RUGデルバーを駆った今回、その自信あふれるプレイングはそんな話がまるで嘘であるかのような印象を与える。 そんな壁屋は《Volcanic Island》から《秘密を掘り下げる者》と、RUGデルバーにとって最高の動きでゲームを立ち上げる。一方の佐々木は、《島》から《水蓮の花びら》、そして《目くらまし》をケアした状態での《師範の占い独楽》を設置。細かな動きであるが、佐々木のレガシー環境へのというデッキに対する熟達さを感じさせる。 《秘密を掘り下げる者》は、続くターン《もみ消し》という知識の深遠に辿り着き、そのまま攻撃を開始。力強いキープ宣言が示すように、これをバックアップする壁屋の手札も実に充実。佐々木の《渦まく知識》に《赤霊破》を当て、佐々木の行動を妨害していく。 《Force of Will》 《Force of Will》 《もみ消し》 《稲妻》 佐々木の《強迫》によって暴かれる壁屋の自信を持った手札。思わず少し困り顔の佐々木。《Force of Will》を抜きたいところだが、セットしている《汚染された三角州》に少し目をむけ、やむなく《もみ消し》に指定を変えた。 《昆虫の逸脱者》が佐々木の体を蝕み、残りライフは9。佐々木はひたすら《師範の占い独楽》を使用し、解決策を探しにかかる。だがそこに望みのものは無く、エンドを宣言すると、壁屋から《稲妻》が飛ぶ。 これでライフは6、ということは。 壁屋は2枚目の《稲妻》を放ち、あっという間に勝敗をイーブンに戻すのであった。 壁屋 1-1 佐々木 Game3 お互いの持ち味を出し合った2ゲームが終わり、佐々木の手に再び先手権が戻る。 佐々木の《ギタクシア派の調査》が壁屋に襲い掛かる。 《ギタクシア派の調査》 《Volcanic Island》 《沸騰する小湖》 《もみ消し》 《狼狽の嵐》 《稲妻》 《稲妻》 を確認してから《陰謀団式療法》をキャスト。《稲妻》2枚を何もせぬ前に奪い取り、壁屋を強制的にダブルマリガン状態へと追い立てる。 佐々木「クロックがなかったので少しほっとしました」 だが、壁屋からは《秘密を掘り下げる者》が送り込まれる。思わず驚く佐々木。壁屋は強制ダブルマリガンも物ともせず、全く引けを取らないドローを見せ付ける。この《秘密を掘り下げる者》は1ターンの間こそ空けるものの《稲妻》を公開することで変身を遂げ、佐々木のライフに強烈なプレッシャーをかける。 一方の佐々木、2ターン連続で土地を引いてしまい、4ターン連続の土地セットとややマナフラッド気味か。それでもまだまだ負けを認めるわけにはいかない佐々木は《強迫》で壁屋から《狼狽の嵐》を奪い取り、そして同時にこれが最後の防壁であることを確認する。 《稲妻》を受けた佐々木、残りライフは4。 さすがに4枚目の《稲妻》は無いであろうから、自身に残されたのは残り2ターン。壁屋の手札は《もみ消し》と何か不明のもう1枚。ここでターンを返してよいのか、進むべきなのか。 悩んだ佐々木は意を決する。 《水蓮の花びら》 《ライオンの瞳のダイアモンド》 と設置すると、壁屋はGame1と同様に「はい」と答え、佐々木の次の動きを促す。佐々木は《蒸気の連鎖》をキャスト、まず自身の《ライオンの瞳のダイアモンド》を手札に戻し、続けてその対象を《昆虫の逸脱者》へと変える。 壁屋が少し逡巡するも、これを受け入れるのを見届けると、佐々木は《ライオンの瞳のダイアモンド》を再設置。《暗黒の儀式》そして最後の1枚は《冥府の教示者》! だが壁屋からこの《冥府の教示者》へ、対応することが宣言される。 壁屋の手から《もみ消し》が追放される。壁屋のライフが1減少する。佐々木から「ああ」という声が漏れる。 佐々木の知らなかった残り1枚のカードは《Force of Will》!! 全ての手札を失ってしまった佐々木は思わず天を仰いだ。壁屋は冷静に、しかし確実に止めを刺すべく、《秘密を掘り下げる者》を呼び出しターンを終えた。 佐々木が引き込んだカードは 壁屋 2-1 佐々木 佐々木「普段でしたら青いカードと知らないカードがある状況で、次のターンに負けないなら絶対に動きませんでした。《強迫》ドローは結果論だけど、完全に間違いですね……勿体無いです」 壁屋「間違いじゃないと思います。とても難しい決断だったと思います。あそこで引き込めていなかったらこっちの負けですし、引く可能性を1ターンあげるのと、どちらか良いのかと言うと」 佐々木「負けましたし、悔しいですけど、RUGデルバー大好きなんで、それに負けるなら良かったです。」 まるで古くからの知己であるかのように、にこやかに握手を交わした二人は、お互いの健闘を讃えあう。RUGデルバー好きという両者の共通点に話が咲き、試合後にはSNSのIDを取り交わしたのだという。M:tGとゲームと、GP名古屋という場所があったがゆえに導かれた二人。実に素晴らしい光景であった。
壁屋「大きな大会での優勝は初めてで、本当にうれしいですね。しかもプルーフかっこいい! イラストブックも凄くうれしい。」 GP名古屋サイドイベント、MINT協賛 アーティストレガシー優勝は 壁屋 敦史!!
壁屋敦史の「RUGデルバー」 デッキ名:うじまさクリーニング |
18land 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 3 《Tropical Island》 3 《Volcanic Island》 4 《不毛の大地》 12creature 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 4 《タルモゴイフ》 30spell 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《もみ消し》 4 《Force of Will》 4 《稲妻》 2 《呪文貫き》 2 《ギタクシア派の調査》 2 《二股の稲妻》 sideboard 1 《墓掘りの檻》 1 《硫黄の精霊》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《壌土からの生命》 2 《乱暴+転落》 1 《狼狽の嵐》 1 《外科的摘出》 1 《クローサの掌握》 2 《赤霊破》 2 《四肢切断》 2 《水没》 |