【GP名古屋2016】これが《三日月の神》のなりかただ!
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Text by 森安 元希
グランプリ・神戸2015で好評を博したマジック・コスプレコレクションは記憶に新しい方も多いだろう。
今回のグランプリ・名古屋2016では、マジック・コスプレコレクションで優勝された《黄昏の番人》の"みささん"にイベント企画へゲスト出演していただいた。
相も変わらぬ美麗なイラストを再現したコスチュームに身を包み、しとやかに華やかに会場を盛り上げていた。
―...そして、もう一人。あるいは、もう一柱(柱は神の個体を示す単位)。
コスプレコレクションにてWotC公式コスプレイヤーChristine Sprankleより、特別賞を授与された《三日月の神》を模した"よこやまさん"もサプライズ・ゲストであった。
そして今回、"よこやまさん"の身に《三日月の神》こと望(Mochi)の魂が宿る儀式の裏側を写真撮影した。
いかにして"ホビーステーションを代表するよこやまさん"が《三日月の神》へとなるのか―...
よこやまさんからのコスプレをするときのアドバイスもまじえてお送りする
《三日月の神》のコスプレをしたい全ての方々へ送る、これが《三日月の神》のなりかただ!
ホビーステーションのユニフォームに身を包んだよこやまさんが、スタッフスペースの机へおもむろに青のパンツを広げる。もちろん新品だ。
パンツはそのままに、作業着に着替えてトレードマークの眼鏡を外し、コンタクトレンズに差し替える。
『エル知っているか、《三日月の神》は眼鏡をかけない。』
よこやまさんは助手のスタッフを一人、連れてきていた。背中や腋などどうしても一人で塗り切れない部分があるという。よりクオリティの高い《三日月の神》になるためには、仲間が必須なようだ。
ポスターカラーを水で少し溶かしスポンジに馴染ませて青のパンツを叩いていく。白いラインを塗りつぶすことで、完成時のパンツ感を減らすのだという。
ちなみにロゴ部分は内側に折り込んで穿くため、塗らないで良いらしい。
自分のパンツから青のパンツへ履き替えたよこやまさん。
失礼ながらこの地点では、青のパンツを穿いてニコニコしている、裸のおじさんだ。
そしてこの裸のおじさんに《三日月の神》を降臨させる儀式が、いよいよ始まる。
パンツに塗っていた青のポスターカラーを、ひたすら全身に塗っていく。
ひたすら全身に塗っていく。
耳なし芳一にならないように両耳のなかもしっかりと塗っていく。
もちろん今日に備えてすね毛の処理もバッチリだ。三日月のようにピカリと光っている。
全身があらわになるのでムダ毛は神の敵だ。
姿見用の全身鏡なんてマジック・ザ・ギャザリングのグランプリ会場にはないのでパソコンのカメラ機能で代用して、全身をくまなく塗っていく。
ちなみに「溶かす水が多いとカラーが落ちて、少ないとあんまり塗れない」ということで塗る量には繊細な職人の技術が必要のようだ。プロからのアドバイスだ、心して聞こう。
一通り全身を塗ったら、今度は肌色感がなくなるように重ね塗りしていく。(背中奥側と手前とで青の密度が違うのがご覧いただけると思う。)
背中は見えない為、助手のスタッフに一任されており、責任重大だ。
《三日月の神》
ちなみにカードのイラストは振り返り美人ならぬ振り返り不細工神なので、背中はアピールポイントで、最重要だという。
顔の細かいしわや塗りムラを埋めるように丁寧に塗っていく。丁寧になりすぎて、ちょっと顔がこわい。
また、どうしても見えにくい腋のような部分は塗りが甘くなるとのことで、撮影スタッフも一緒になって「塗れてないところ探し」をしていき、減らしていく。
足もしっかり指の間まで塗りこんでいく。
先ほど三日月のような輝きを見せていたすねが、段々と色濃い青に変質する。
ちょっとスペースがずれて足の裏にぬったカラーがはげ、足跡が残ってしまう場面も。(あとでスタッフが気を付けて掃除しました)
そうこうする間、約60分。使用した塗料缶は2つ半。よこやまさん(そろそろ《三日月の神》)とスタッフがひたすらひたすら全身を塗り続ける。
実はこの専属に助手をつとめるスタッフもホビーステーションの店員であり、「この長時間の作業に飽きずにやってくれそうだから」という理由で今回、特別選出されているらしい。
「このスタッフでないと、(《三日月の神》のコスプレ)やらないよ」とまで言ったらしいのだが、ちなみに助手は「初めて2人で作業します」と話していた。見ていないようでも上司はちゃんと部下の細かい仕事を見てくれているのだ。
サボりがちや妥協しがちな部下には任せてもらえない仕事もあるということだ。
よこやまさん(だんだん《三日月の神》)の人を見る目は確かだったようで、助手は良い意味でこだわりを見せて塗りムラを敵視するようにポスターカラーを塗りこんでいた。
「結構綺麗にブルーです!」
背中側の塗りをみて、助手が自画自賛の声を挙げる。努力の賜物だ。
この頃、作業はいよいよ終盤だが、すでに直前の出番とされていた"みささん"の《黄昏の番人》はステージに上がって、エピソード・トークに盛り上がっている。結構時間ギリギリだが、あまり早くに完成しすぎてると今度は色が落ちてきてメンテタンスが大変なので、時間調整にも機微があるのだ。
この"みささん"の美しい《黄昏の番人》姿はぜひイベントレポートで楽しんで欲しい。
本記事はいかにしてよこやまさんが《三日月の神》へと変身するか、が主題だ。美しい天使の写真は掲載しない。
そしていよいよ舞台袖にて準備の時。
(ちなみに台車を支えているBIGMAGICのスタッフも、偉い人だ。この《三日月の神》コスプレはBIGMAGICとホビーステーションが社運をかけた一大共同イベントでもあるのだ。)
もう慣れた仕草でよこやまさんは《三日月の神》のイラストと同じポーズをとっていく。
ついに舞台袖に《三日月の神》があらわれた。
最後にビデオ機能で全身を確認したとき、「これはもう、人じゃないね!」と本人が絶賛したのは正しい。
最近、MTGには神の名誉を得たプレイヤーは何人かいる。今回、BIGMAGICとのプロ契約を果たした和田 寛也もスタンダード神である。
今回は言うなれば第1期コスプレ神ともいえる"よこやまさん"の(自分との)対戦記事をお届けしたことになるのだろうか。
[入場]
そしていよいよ《三日月の神》が助手の押す台車に乗って、イベントスペースへと入場していく―...
(以降の活躍は、ステージイベント記事にてお楽しみください)
※参考データ
よこやまさん
身長「175センチをこえてから数えてないかな」
体重「125キロをこえてから数えてないかな」
よこやまさんと同じくらいの身長・体重でたぷたぷお腹がチャーミングな人は、是非、次期コスプレ神挑戦者決定戦に名乗りを挙げてほしい。なおもちろん、今のところ開催予定はない。