text by Seigo Nishikawa
開幕3連勝を颯爽と飾り、まずは順調なスタートダッシュに成功した二人。そんな松原と松本が使用するのはともにアタルカカラーのビートダウンデッキ。氏族の教えに従って獲物を狩るかのように、対戦相手を乗り越えてきた両者。その勢いを続けることができるのは何れのプレイヤーとなるであろうか。
Game1
ダイスロールに勝利し待望の先手を手に入れた松原だが、手札を見るなりマリガン。だがつられるように松本もマリガンを宣言しまずは痛みわけ。それでも新しく示された6枚にはお互いに十分に納得がいったようで、気持ちよくゲームの開始を宣言する。
先に動いたのは松本。《山》から《僧院の速槍》を繰り出すと、一太刀を松原に浴びせる。松原も《ドラゴンの餌》で対応するが、松本は《マキンディの滑り駆け》。ならばと《軍族童の突発》でゴブリンを次々と生み出していく松原。
松原のゴブリン大量生成に対して、《樹木茂る山麓》セット、即起動と《マキンディの滑り駆け》を2回上陸させる松原。両者マリガンを全く感じさせない、疾風のような展開を続ける。
だがともに動きが良いのであれば、やはり先手の利は大きいのか。松原は《焙り焼き》で《僧院の速槍》を排除すると、《無謀な奇襲隊》と続け、一気に10点のダメージを叩き込み、ライフは松原12。松本6。
一気に危険水域へと追い詰められた松本は《ピア・ナラーとキラン・ナラー》で応じ、防御を固めるも、松原からは《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》。これが戦場の全てのゴブリンに活力を与えると、松本は《マキンディの滑り駆け》以外をチャンプブロックに回さざるを得なくなる。
それでも《強大化》を引き込めば、大逆転勝利も見えたのだが、そううまくはいかないのもまたマジック。松原は怒涛の勢いで、松本をそのまま寄り切るのであった。
松原 1-0 松本
Game2
「さっき隣で見てたので、情報分少し有利でしたね」
その言葉のとおり、既にサイドボードもある程度頭に思い描いていたのか、カードの入れ替えをささっと終わらせる松原。
松原の発言に少し苦笑いの松本だが、こちらも何度となく戦ってきたであろう相手だけに、サイドボードを行う手つきに淀みはない。何より今度勢いを見せ付けるのは俺の番だと、目を光らせる。
その意気が伝わったか、松本は手札を見て即座にキープを宣言。《燃えがらの林間地》《森》から《マキンディの滑り駆け》とつなぐと、これは松原に《焙り焼き》されるが、今度は松本が《ドラゴンの餌》。松本・松原の袂に大量のゴブリンが次々と駆けつける。
松原は《ケラル砦の修道院長》。捲れた《わめき騒ぐマンドリル》をそのまま追放領域におくと、静かにターンを終了、土地が2枚で止まってしまう。
これを見た松本は《鎌豹》で更にギアを一段あげていく。松原は続くターンも《ケラル砦の修道院長》を続け、今度は無事《血染めのぬかるみ》に辿り着きこれをセット。松本に押し切られてしまいかねない未来を一先ずは回避。
だが、松本は《血染めのぬかるみ》をセットし、これを即座に起動。《鎌豹》を3/3へとまず成長させると、《弧状の稲妻》をキャスト。松原の《ケラル砦の修道院長》に2点・1点の稲妻を落とす。松原に残された1マナから《多勢》が放たれゴブリン1体が失われるも、果敢して生き延びた《ケラル砦の修道院長》には、松本から逆に《多勢》。
松本の着実で丁寧なプレイングが光り輝く。
松原は《軍族童の突発》で必死に追いすがるが、少しだけ考えた後《鎌豹》とゴブリンに攻撃を指示する松本。松原はゴブリン2体で応じるが、《アタルカの命令》で一方的に返り討ちにあってしまう。ならばと《沸き立つ大地》で一掃を図るが、そこにも《アタルカの命令》。
そして松本からはダメ押しの《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》。
松原 1-1 松本
Game3
Game1・Game2と先手の勢いを受け止めきれない戦いが繰り広げられる。やはりこの戦いは先手が有利であると言う事実は揺るぎようが無い。そうなると先手が戻ってきた松原が有利なのか。それとも松本がそれを跳ね返すものを見せ付けくれるのか。
松原が《山》《森》とつなぐも、2ターン目に動き無くエンドを宣言すると、一瞬「エンド?」と驚く松本。だがすぐに気持ちを入れ替え《鎌豹》を送り出す。
実は松原、初手が上記した2枚の土地と《ケラル砦の修道院長》、そして強力な4枚の3マナカードを少し悩んだ上でキープをしている。ここで土地を引き込まねばゲームにならないため、敢えて1ターン《ケラル砦の修道院長》を遅らせたのだ。
だが《ケラル砦の修道院長》をキャストするも捲れるのは《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》。再び土地が1ターン止まってしまう。松原の動きからある程度状況を察したか、松本はこの《ケラル砦の修道院長》を《多勢》で排除すると《鎌豹》を3/3として嗾ける。
それでも松原もそうは簡単には負けを認めるわけにはいかない。見事に《山》を引き込むと《軍族童の突発》。1体を松本の《鎌豹》に差し出す。
だがここで、松本が繰り出したのは先手の勢いを塞き止め、そして攻守交替を高らかに宣言する《雷破の執政》! タルキールの世界にて、小さなゴブリンを捕食する側の王者の登場だ。
これに対する松原の動きは《ドラゴンの餌》。しかしすぐに《弧状の稲妻》で3体を失うと言う結果に陥り、まさにドラゴンの餌と化してしまった。松本はさらに《鎌豹》を追加してターンを終了する。
《前哨地の包囲》をカンのモードで出し、松原は逆転劇を探るのだが、唯一残っていたゴブリンが《多勢》によって排除されると、自身のライフにもう余裕が無いことを認めざるを得なくなった。
松本「2本目で《沸き立つ大地》まで見たので、タフネス1のクリーチャーは極力外して、サイドから《雷破の執政》を入れました。」
空を翔る王者をゴブリンはただただ見上げることしかできないのであった。
松原 1-2 松本
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