【BMO Vol.6】BIG MAGIC Invitational Round 5 太田 博樹(石川) 対 中尾 達雄(広島)

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DSC_0087 Round 5 全勝卓は既に2卓にまで絞られていた。もう一方の卓は『松本佑弥 対 村尾圭介』という、それぞれ既にカバレージでピックアップした2人の対決だ。 もう片方はどちらも未だ姿を見せていなかった。   太田 博樹(石川)vs中尾 達雄(広島)。   DSC_0091 太田 博樹が選択したデッキは【マルドゥグリーン】だ。《はじける破滅》を《ゴブリンの闇住まい》で使いまわし、《包囲サイ》と併せてライフを攻めつつ盤面を支配するボードコントロールデッキだ。 その内訳でも緑を軸にしてマナ基盤を整理し、《森の代言者》や《アブザンの魔除け》を最大限活用するデッキは【ナヤブラック】として区別されることもあるが、今回は【マルドゥグリーン】に纏めて表記したい。 そうした細かい内訳に言及されるほど、勢いを持つアーキタイプだ。 太田も《森の代言者》と《アブザンの魔除け》型であり、序盤の受け身な部分をなるべく減らそうとしている。 DSC_0092 対する中尾は【アブザンアグロ】を選択していた。 見る限り純正3色の、マナ基盤に出来るだけ負担をかけずに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を最も強く使う形だ。   Game 1 《吹きさらしの荒野》2枚から《森》《平地》を探し、《始まりの木の管理人》《森の代言者》と立て続け様のスタートを切る中尾。 《吹きさらしの荒野》が1ターン目、2ターン目にそれぞれ起動された地点で頷く太田。【アブザンアグロ】への警戒を以てしてのことだろう。 2体目の《始まりの木の管理人》から《風番いのロック》へと続けた中尾に対し、太田は動きが少し緩い。 《はじける破滅》と《ゴブリンの闇住まい》のパッケージで凌ぎこそするが、中尾が即座に《アブザンの魔除け》を合わせて、《ゴブリンの闇住まい》を戦闘に参加させない。 ここまでで打ち漏らさざるを得なかった《風番いのロック》と鳥トークンが2体目の《始まりの木の管理人》を対処する前に、太田はライフの支払いをし終えていた。 中尾 1-0 太田 Game 2 今度は1マリガンの中尾の動きが、厳しい。土地を3枚で止めたところに、順調に土地を伸ばしてパワーカードを展開する太田を諫めることが出来ない。 4ターン目にして2体並べた《始まりの木の管理人》を成長させてマナが枯れ、ターンを終えざるを得ない中尾に対し、太田は《包囲サイ》を展開してから《焙り焼き》を《ゴブリンの闇住まい》で使いまわす。 中尾はクリーチャーのアタックを妨害し、反撃の手を繰り出し、ライフを攻めないとならないのだが、ハンドに呪文は充実しているものの、あまりにもマナのリソースが不足していた。 中尾 1-1 太田 Game 3 ここで太田のサイドボーディングが光る。3ターン目《僧院の導師》は対【アブザンアグロ】で無双の強さを誇る1枚であり、スペル偏重の【マルドゥグリーン】とは確かに相性が良い。特に軽量級の火力が減ったところに飛び出されれば、ゲームをそのまま決めかねない。 しかし中尾も《究極の価格》をしっかりとキープしていた。《僧院の導師》にトークンを残させず、《森の代言者》、《先頭に立つもの、アナフェンザ》、《風番いのロック》と【アブザンアグロ】の順当な展開を引き出していく。 実はここまでは太田が想定していた展開でもあった。これを《炎呼び、チャンドラ》で一掃するのがハンドをキープした当初からの目標だ。 しかしー…後手の分、妨害を打つのが常に1ターン遅れた。 特に《アブザンの魔除け》を打って《ゴブリンの闇住まい》で使いまわしたい場面で緑白黒が揃わなかったターンを挟んだことが大きく影響した。 その1ターン差で中尾は《森の代言者》をサポートする6枚目の土地と、《包囲サイ》を引き込んでいる。 《炎呼び、チャンドラ》でまとめて焼けない、タフネス5は【マルドゥグリーン】側が鬼門とする数字の1つだ。《焙り焼き》や《ムラーサの胎動》で回収した《僧院の導師》、《燃え盛る炎、チャンドラ》をハンドに擁して戦力は充実しているものの、それを使いきれずに終わってしまった。 太田 1-2 中尾 中尾Win! 色拘束に悩まされ続けた太田に対し、純正でまとめた中尾がテンポで制した形となった。スタンダード終盤ながら、ひと際揺れ動き続ける今季のメタゲームと変動進化を繰り返すデッキリストたち。 "今日強いデッキ"を選び使いこなした8人が、残り2戦で決まろうとしている。中尾と太田の二人はそこに名を連ねられるだろうか。 BIG MAGIC Open特設ページに戻る