【BMO Vol.6】BIG MAGIC Open Standard Vol.6 準々決勝 結城 亮祐(大阪)対 田村 亮(三重)
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Text by 森安 元希
BIGMAGIC Open Vol.6
総参加者300人を超えたビッグイベントもいよいよ最終局面を迎えつつあった。
初日9回戦を終え、2日目進出を決めた64人が6回戦でせめぎ合う。
参加の面々にはTeam Cygamesや渡辺 雄也といったプロプレイヤーも多くあり、非常に競技性の高い大会としての性質を帯びつつあるようだ。
そしてスイスラウンド最終戦。悲喜交々のバブルマッチ、あるいはID(合意引き分け)が行われ、幾らかの波乱を呼びつつも優勝を争う8人が決定した。
そこにはVol.2以来のトップ8となる渡辺 雄也も含まれていた。しかしその他にはプロの姿はない。
新鋭のプレイヤーたちが、その勢いを見せつけトップ8まで上り詰めていた。
新しい風が吹きすさぶ決勝トーナメントが始まる。
結城 亮祐(大阪) vs 田村 亮(三重)
既にスイスラウンドで1度当たっているという2人のリマッチメークをピックアップ。
「リベンジですね」と話す結城側が落としているようだ。
田村 亮は【4色ラリー】を選択している。
今回、トップ8に3人を送りこんだ"現環境最強"と呼ばれるアーキタイプだ。
手広い選択肢にプレイングの腕が各所で問われることで強さに反して嫌うプレイヤーもいるデッキだが、ここまで勝ち残った3人にその腕前を問う必要はない。
コンバットを切り抜け、《集合した中隊》に愛され、ライフを緻密に計算する。繰り返し修練を積んできた実力を見せていく。
結城 亮介は【マルドゥグリーン】だ。
《はじける破滅》を除去の主力に据えている関係上、【4色ラリー】の戦力を的確に落としにくいことから相性はそこまで良くないともされているのだが、結城はメインから《神聖なる月光》を積んだ形だ。
ワンショット・キルを決めるべく【4色ラリー】が《先祖の結集》を打てば、特に警戒の薄いメインでは逆に一気にデッキを機能不全に陥らせるワンショット・キルを決めうる。
【4色ラリー】をトップメタとした現環境に合わせた【マルドゥグリーン】がどう動くのか注目だ。
メタの推移を的確に読み込む洞察力がゲームにも反映されていく。
Game 1
スイスラウンド上位の田村が一瞥しきる間も置かず即マリガンを宣言する。
【4色ラリー】は色マナの拘束がシビアな為、キープ判断が厳しいデッキだ。
対する結城はフルハンドをキープした。既に田村のデッキは判明しており、《神聖なる月光》《はじける破滅》《森の代言者》を含んでのキープは上々のものだろう。しかし緑マナへのアクセスが若干遠かった。《遊牧民の前哨地》《乱脈な気孔》をタップイン展開していく。
結城がタップインを処理している間、田村は《ヴリンの神童、ジェイス》《ナントゥーコの鞘虫》、《エルフの幻想家》とテンポ良く続けていく。
結城は《破滅の道》を《ヴリンの神童、ジェイス》にこそ合わせたが、田村が《ズーラポートの殺し屋》を追加して戦線を崩さない。
2枚目の《乱脈な気孔》を引いた結城。タップインが続く。
田村、メインのうちに《集合した中隊》で更なる戦力の追加して差をつけていく。《反射魔道士》《ヴリンの神童、ジェイス》というめくれに「強い《集合した中隊》だなぁ」と笑うようにもらす結城。
田村は翌ターン、変身させた《束縛なきテレパス、ジェイス》で《集合した中隊》にフラッシュバックをつけたまま《ナントゥーコの鞘虫》がアタック。ブロックがなかったことを確認してから《集合した中隊》を唱える。
ようやく2マナの余裕の出来ていた結城がここに《神聖なる月光》を合わせた。
「メインから入ってたのか」先のスイスラウンドではメインで見かけなかったのだろう。田村のため息がもれる。
ここで少しライフレースの猶予を得た結城。《はじける破滅》2枚で《反射魔道士》《ナントゥーコの鞘虫》を落としていく。結城にとって《先祖の結集》X=3で墓地の生物たちをまとめて釣られたら厳しいのに変わりはないが、田村は土地を4枚で止めている。この隙をついていけるのか。
しかし田村もハンドから《永代巡礼者、アイリ》《ヴリンの神童、ジェイス》と動いて脅威を用意していく。4/5《森の代言者》アタックを《永代巡礼者、アイリ》で受け止め、ひとまずの膠着を狙おうとするが―…結城、この接死ブロッカーが落ちたのを確認してから《包囲サイ》でプレッシャーをかけ直す。
田村、《ヴリンの神童、ジェイス》を変身させプラスで《包囲サイ》のクロックを抑える。戦場はこれによって大幅にライフレースを減速し、ようやく田村が万全の《先祖の結集》を使う為の余裕を得た。
「月光(《神聖なる月光》)、見てるんだよなぁ」《ヴリンの神童、ジェイス》で捨てて墓地にある《先祖の結集》をフラッシュバックで唱えるかどうか。田村は迷いつつも仕方ないと唱えて、これが通る。
《ヴリンの神童、ジェイス》、《エルフの幻想家》、《永代巡礼者、アイリ》、《シディシの信者》が戻る。この《シディシの信者》の濫用で自らを生け贄にしつつブロッカーとして用意されていた《森の代言者》をはじき返す。そのまま《ナントゥーコの鞘虫》でアタック。"生け贄要員"たちを消費してゆき、ライフを一気にもぎ取った。
田村 1-0 結城
Game 2
再び田村1マリガン。今度は6枚をみてため息をついて苦渋ながらキープした。
先手結城の《森の代言者》対、後手田村《ヴリンの神童、ジェイス》という展開だ。
田村は後手ながら《進化する未開地》を2枚ひいてきてテンポの悪さに唸るが、《ヴリンの神童、ジェイス》起動で《汚染された三角州》を得つつ《進化する未開地》を捨ててテンポを取り戻す。そのまま《不気味な腸卜師》をプレイして見た目にスムーズな展開となった。
今度は結城もテンポ良くマナを伸ばしていく。4ターン目、《神聖なる月光》2枚、《包囲サイ》、《ゴブリンの闇住まい》からタップアウトで《包囲サイ》を唱えた。
この間に田村はメインで《集合した中隊》を唱え、《不気味な腸卜師》、《エルフの幻想家》を獲得していく。この《エルフの幻想家》で《森の代言者》のアタックを止めつつ、更にドローを掘りすすめていく。充実したハンドから《地下墓地の選別者》、《ナントゥーコの鞘虫》を追加しつつ《ヴリンの神童、ジェイス》を変身させ、コンボパーツこそないもののコンバット面で優位を築いていく。
結城は6枚目の土地が遠く、ハンドの《炎呼び、チャンドラ》が出せない。《森の代言者》も育てられず、アタックもブロックもままならない。
その間も着々と盤面を整える田村。幾度目となる《集合した中隊》によって《ナントゥーコの鞘虫》3体目と《ズーラポートの殺し屋》が追加されると、アタックだけでも打点の足りる戦線が成長しきった。
田村 2-0 結城
田村Win!
渡辺 雄也を含む他2人の【4色ラリー】がSE Round1で敗退し、ここで【4色ラリー】としては最高順位が決定した田村。しかし田村が目指す先は2つ先の勝利にある。
今日最強の乗り手が使う、今日最強のリストの【4色ラリー】を携えて、まずはSE Round2に挑む。