【BMO Vol.6】BIGMAGIC Sunday Legacy メタゲームブレークダウン
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text by Seigo Nishikawa
およそ5ヶ月前に開催されBIGMAGIC Sunday Legacy Vol5。そのときには影も形も存在しなかった「エルドラージストンピィ」という存在。超新星の如くモダンを制圧した彼らは、次なる戦場としてレガシーへと目をむけ、ここ最近様々な大会で目覚しい活躍をしている。
今回のBIGMAGICSunday Legacyの話題の中心はそれと言って過言ではなく、おそらく多くの人が、実際のところ如何ほどのプレイヤーがエルドラージを選択するのか、エルドラージはどこまで想定してデッキを組む必要があるのか、ということに頭を悩めたのではないかと想像する。
その結果をお見せしよう。
長らくレガシー界のトップメタを張る『奇跡コントロール』には残念ながら及ばなかったものの、『エルドラージストンピィ』の使用人数は堂々の2位。確実に「想定しなければいけない」デッキの一つとなったと言っても問題ない結果を残したといえる。
だが残念ながらベスト8に残ることはできず、この辺りはまだまだデッキに研究の余地が残されているということにもなろうか。何れにせよのったときの破壊力は間違いなく随一のものがある。ストンピィ系の宿命である、引きに左右されてしまう弱点が改善されれば敵はいなくなるのかもしれない。
そんな『エルドラージストンピィ』を抑えて貫禄の使用率一位は『奇跡コントロール』。こちらは人によって数枚の入れ替えはあるもの根幹レベルは完成されたレシピといってもよい。それだけにどのデッキでも対策は当然のように取っており、それが故かベスト8に残ることはできなかった。
3位の『グリクシスデルバー』は今回の勝ち組といえよう。『エルドラージストンピィ』の前に数を減らすのではないか、という予想もあったが、《秘密を掘り下げる者》の制圧力はやはりとてつもないものがあり、環境に《古えの墳墓》が増えたこともあり、プレイヤーのライフの減り方が増しているような印象を受けた。そして今回栄冠を勝ち取ったのもこの『グリクシスデルバー』を使用したMune Kentoである。
そこに続くのが『スニークショー』・『ジャンド』・『BUG続唱』。ともに常に安定した使用者数を誇る3デッキである。『スニークショー』は明確に奇跡コントロールに有利であり、自身が使う《引き裂かれし永劫、エムラクール》によって、エルドラージデッキを駆逐することも可能という性能を秘める。『BUG続唱』も奇跡には有利とされ、『ジャンド』も採用する《Hymn to Tourach》が決まってしまえばどんなデッキにも渡り合うことができる。これを受けて生きていられるコンボデッキは少ない。
コンボといえば前回から明確に数を減らしたのが『ANT』だ。約4人に1人を決勝トーナメントに送り出した前回。時の王者は「今使うならANT」と言ってのけた。だが今回ANTは決勝には一人も残れていない。環境に《虚空の杯》が一気に増え、メイン戦から自然に対策されるようになってしまっている現在は、『ANT』にとっては逆風といわざるを得ないのか。
そんな中POSTからベスト8に1人、LANDsからは二人と、両ランドデッキの躍進が目に付く。苦手なコンボデッキが《虚空の杯》により数を減らすのであれば、両デッキのこれからの道は明るい。
なお、ベスト8に残ったもう一つは『ゴブリンストンピィ』。《虚空の杯》に加えてメインボードから4枚の《血染めの月》と《月の大魔術師》でバックアップをしつつ、《モグ捕り人》で随時必要なゴブリンをサーチすると言うデッキだ。《月》1枚でデッキが崩壊するアーキタイプはレガシー界ではとても多く、《虚空の杯》も影響は非常に大きいため、環境にマッチしているデッキといえる。
今回の大会は《古えの墳墓》《裏切り者の都》と《虚空の杯》という組み合わせをとても多く見かけた印象がある。暫くはコンボデッキには逆風が吹いている時代なのかもしれない。