ガーゴイルの城/Gargoyle Castle
タグ:Card of the Day, Gargoyle Castle, MTGシングル, ガーゴイルの城, 基本セット2010, 岩SHOW, 統率者2014Card of the Day -今日の1枚- 2016/04/15
ガーゴイルの城/Gargoyle Castle
ガーゴイルの城/Gargoyle Castle「ガーゴイル」とは何か。究極的に言ってしまえば、「雨どい」である。屋根に降った雨水を地上へと排出する、その排出口としての役割を担う彫像で、西洋建築の屋根に取り付けられている。これらは古くから存在し、古代エジプトでは彫像の口から放たれる雨水を聖水とし、儀式に用いていた。その彫像の姿はライオンや鳥、あるいは人間など様々なバリエーションが存在するが、特に中世以降は空想の生き物・悪魔的なデザインが主流となる。本来の役目を越えて、芸術的・宗教的意味合いの強い存在である。
この屋根の上に鎮座する怪物を、ファンタジー世界が放っておくわけもなく。石造りの守護者的なクリーチャーとして、様々な作品で立ち位置を確立している。えてしてそれらは石の身体と飛行能力を有しており、映画やゲームで主人公達を苦しめることとなる。
勿論、ファンタジーを題材とした初代トレーディング・カード・ゲームであるマジックにだって、ガーゴイルは登場する。ただ、西洋的な色合いの強いクリーチャーなので、登場する次元は限られてくる。今のところ、ドミナリア、ウルグローサ、アラーラ、ラヴニカ、イニストラード、そして少々趣の異なるものがタルキールにて存在が確認されている。これらのガーゴイル達はその初期においては赤や白の飛行持ちであったが、最近では彫像である側面を重視してアーティファクト・クリーチャーとしてデザインされることが多い。今日紹介する《ガーゴイルの城》は、そんなアーティファクトの魔物を呼び出す土地だ。
基本的には無色のマナソースである。無色を生み出せる土地は『ゲートウォッチの誓い』にて、無色マナを要求するカードが増えたことで相対的にその価値を高めている。まあマナソースとしての役割はそれで良いとして、肝心なのはその起動型能力。5マナ払ってタップ、生け贄に捧げるというコストを払うことで、3/4飛行のガーゴイル・トークンを生み出すことが出来る。土地から生み出されるクリーチャートークンの中では、サイズと飛行を合わせてかなり優秀な方になる。呪文のスロットを圧迫せず、インスタント・タイミングでフィニッシャーを生み出せるのは、コントロールデッキ的には嬉しいもの。
最大の難点は、このガーゴイルの弱点の多さ。クリーチャーであるため火力や除去呪文で破壊される。アーティファクトでもあるので、それらに触れる呪文でも簡単にパリンッ。さらにはトークンでもあるため、バウンスされると忘却の彼方へ。白青黒赤緑、すべての色で対処可能であるため、出して安心フィニッシャーというわけでは決してない。土地を失ってしまうリスクも考えると、消耗戦の末の最後の砦として使用するのが望ましいのではないだろうか。
トークンのイラストがカッコイイため、思わず使いたくなる1枚ではある。「エルドラージストンピィ」あたりに1枚くらい入れてもいいんじゃないかな。