武勇/Valor
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Valor, ジャッジメント, 岩SHOW, 時のらせん, 武勇Card of the Day -今日の1枚- 2016/05/30
武勇/Valor
『エターナルマスターズ』にて人気カード《納墓》が再録決定。新規イラストも獲得して、ファンも満足。この呪文が登場して、マジックにおける墓地はそれまでのものと全く別の領域となったなぁと感慨深く思ったものだ。これと相性の良い、墓地にある時に効力を発揮するカード達も続いて多数登場し、その度にデッキを作る喜びを与えてくれた。今週は「墓からウィーク」とでも称して、墓地にある時に何かしらの能力が機能するカードを紹介してみようか。思えば○○ウィークとかやりだした、最初の企画は「墓地ウィーク」だったように思う。あれから連材を続けて...もうすぐ4年目?なんかわからんくなってきたけど、多少は成長したことを祈って...とりあえずやってみよう。
《武勇》は墓地に置かれていると効力を発揮するインカーネーションというクリーチャーのサイクルだ。インカーネーションは事象の化身・概念がクリーチャー化したものである。魔力が命を創り出すマジックの世界ならではのクリーチャータイプで、似たような存在であるエレメンタルよりもより概念寄り、といったところか。エレメンタルとインカーネーションを併せ持ったクリーチャーもいるのだが脱線しそうなのでここでは置いといて。
《武勇》はアンコモンの同タイプのサイクルで、このサイクルのクリーチャーに共通しているのは4マナで2/2(緑のみ3/3)で、いずれもこのカードが墓地にありその色の基本土地をあなたがコントロールしている場合、このカードが持つキーワード能力をあなたがコントロールするすべてのクリーチャーが得るというもの。その存在が消え果てても、概念は他のクリーチャーに引き継がれる、そんなフレイバーだろうか。
白の枠である《武勇》は白らしく、先制攻撃を与える。4マナ2/2先制攻撃、と考えればスペックは低いが、まあ完全に仕事しないというわけでもなく。ただ戦場に出すよりは墓地に落とす方がゲームに及ぼす影響は遥かに大きいので、なるべくそっちを狙いたい。先述の《納墓》...はやりすぎだとしても、例えば手札を捨てることで起動する能力を持ったクリーチャーで能動的に墓地に送ってやるのが良い使い方だろう。ブロッククリーチャー決定後にポロッと落とすことで、相手のクリーチャーを一方的に撃ち落とすことが出来、さながらコンバットトリックとして機能する。
この手のカードの例にもれず、スペックは低いがしかし最低限のクリーチャーであるという点が活きるカードでもある。先制攻撃を与えるのが目的ならば《騎士道》の方が確実性が高いが、クリーチャーが一体もいない場面でこれを引いたらたまったもんじゃないだろう。その点、しっかりとクリーチャーとして武勇を披露してくれるこのクリーチャーは悪くない。
イラストも人気アーティストKev Walkerが担当し、カッコイイ。亀裂が拡がり、というフレイバーテキストが時空の裂け目を連想させるためだろうか、タイムシフト枠で『時のらせん』にも再録されている。開発お気に入りのカードだったのかもね。