ガロウブレイド/Gallowbraid

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/06/11

ガロウブレイド/Gallowbraid

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カードの良さとは何だろうか。...やっぱり、カードパワーが高いものが即ち良いカードなのか。一人でも多くのプレイヤーに勝利をプレゼントしたカードこそ、良きカードであり永らく愛されたりするのだろうか。そもそも僕らはどういうカードを愛するのか?あなたの愛するカードは、あなたにとっての何ですか。そもそもカードに対してそんなに愛を注いでいない?それは勿体ない。愛があれば、事故って何もできずに負けたゲームも「まあ好きなもん使っての結果だから」と割り切れる(こともある)。

 

例えば《ガロウブレイド》。先に言っておくと、カードパワーという観点で見ると決して良いカードではない。ただ、僕にとっては良いカードで、愛すべき1枚である。ちなみにこれをプレイしたことはほとんどない。詰め合わせBOX構築とかいうジャンキーなゲームで時間を潰した時や、あるいはモミールベーシックで飛び出したくらいだ。その時も決して活躍したわけじゃない。わけじゃないが...

 

《ガロウブレイド》は『ウェザーライト』に収録されている黒のレアカード。黒の伝説のクリーチャーで、《モリンフェン》と対になっている。ダブルシンボルの5マナ5/5で、能力はトランプル。このスペックだけ見れば悪くない。が、肝心なのはデメリット持ちだということ。この時代を象徴する能力・累加アップキープという能力を持っている。まずはこれを出してから最初に迎えたアップキープで1点のライフを支払う。次のアップキープは2点、その次は3点だ。こうやって支払うべきコストがどんどんと重くなっていく。苦しくなって支払いを拒否すれば、このクリーチャーはたちまち死亡する。当時にしては高スペックな黒い5/5トランプルを使える代わりに、己のライフをすり減らす必要がある。4回攻撃すれば勝てるのでライフの支払いも計4回。10点支払えばOKだ。まあ、デメリットはあるが無茶苦茶なものというわけでもない。そもそもこのカード1枚だけで戦うのでもないし、他のクリーチャーと共に攻撃すれば相手からすればイヤなものである。トランプルも活きてきそうだ。

 

ただまあ、悪くはないが使うまでもない、そういうカードの典型だ。しかし僕個人のマジック観においては、このカードの存在は小さなものではない。むしろ割と大きく、それは愛と形容しても良いかもしれない。言葉では言い表し切れないが...良いものだ。イラスト・旧枠の雰囲気、上記のスペック、「石のような皮膚、似合いの心。――― クロウヴァクス」というシブいフレイバーテキスト...それらが相まって、1つの作品としての完成度が高い。とにかくカッコイイ。これ、いいぜ。

 

ガロウブレイドはファイレクシアに属する工作員だ。見た目の通り、残忍でパワフル、邪悪そのもの。かのヴォルラスの部下であり、彼の指令に従ってクロウヴァクスの屋敷を襲撃する。そこに駆け付けたジェラードらウェザーライト号の乗組員と死闘を繰り広げ、倒されはしたもののクロウヴァクスの一族に加えてロフェロスも殺害する、というインパクトを残した。彼の名はブレイドと書かれるせいでどうしても剣的なものを意味していると思いがちだが、その意味は「(絞首台の)首吊り紐」。カッコエエ~。どうでも良い話だが同名のブラックメタル・バンドが存在する。厳密にいうとフォークとドゥームの要素が強い。メランコリックな楽曲が好きな人にオススメ。

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