巣を守るものカンジー/Kangee, Aerie Keeper
タグ:Aerie Keeper, Card of the Day, Kangee, MTGシングル, インベイジョン, 岩SHOW, 巣を守るものカンジーCard of the Day -今日の1枚- 2016/06/17
巣を守るものカンジー/Kangee, Aerie Keeper
巣を守るものカンジー/Kangee, Aerie Keeper
鳥が他の動物に比べて特に秀でている点と言えば、営巣に関する能力だ。自らの寝床として、また卵を産み雛を育む子育ての場として、鳥たちは各々の環境にマッチした最適のものを作り上げる。ハタオリドリの仲間はその名の通り機を織るかのように植物を編み込んで複雑な巣を作り上げる。シャカイハタオドリの集団生活する団地のような巣など圧巻である。アオアズマヤドリの雄は求愛のために地上の開けた場所に巣を作るのだが、これもまたモダンアートのオブジェかのようなもので、更にその周囲に鳥の羽や花びらなど、ありとあらゆる青いものを敷き詰めて雌にアピールする。鳥にとって、巣とは特別なもので...まあ僕ら人間も、家にはこだわりますからなぁ。人も鳥も、寝床が何よりも大事なことには変わりなし。今日紹介する《巣を守るものカンジー》も、そのニュアンスは皆の故郷を守護するもの、という意味合いが大きいのかもしれない。
カンジーは初出ではクリーチャータイプを持たないただのレジェンドであった。現在では鳥・ウィザードというタイプを与えられてはいるが、当時は鳥人間な見た目でクリーチャータイプなしということで、こいつは何者?なんて談義で少し盛り上がったり(すぐ後にエイヴンが登場し、人型の鳥クリーチャーは当たり前のものとなった)。このカードは『インベイジョン』が推すメカニズム・多色とキッカーを併せ持った1枚。青白の4マナ2/2飛行と、これだけ見ればまあスペックは良くはない。そこでポイントとなるのがキッカー。このカードに与えられたキッカーコストはX②。まず一言、重てぇ!このコストを払うと、X個の羽毛カウンターがカンジーの上に乗る。このカウンターの数だけ、他の鳥クリーチャーは+1/+1の修正を受ける。即ち、鳥のロードだ。鳥デッキの親玉となることだろう。...うん、知っておるよ、さすがに弱すぎる!マルチカラーで7マナ払って、やっと2/2飛行+鳥をワンサイズ強化。ちょっと盤面に与える影響が低すぎるんじゃないか。せめて羽毛とかいう訳の分からんカウンターではなく、カンジー自体のサイズも上がる+1/+1カウンターならば...あるいは他の鳥ではなくカンジーも含めたすべての鳥を強化できれば...
肝心のロード能力も、このカードが出た当時のスタンダード環境には鳥カードが自信を除くと13枚しかなく、《秩序ある渡り》を含めても鳥がずらりと並ぶデッキを作るのは至難の業。なんともガッカリなカードになってしまったのだけども...これには実は事情がある。皆大好きマローは、このカードをもっと優秀な鳥ロードとしてデザインしていた。しかし開発チームによって、見るも無残な形としてリリースされてしまったそうである。いろいろ、あるんやね。