川のケルピー/River Kelpie
タグ:Card of the Day, MTGシングル, River Kelpie, シャドウムーア, 岩SHOW, 川のケルピーCard of the Day -今日の1枚- 2016/06/22
川のケルピー/River Kelpie
川にいる生き物と言えば...魚類、甲殻類、虫の類に...両棲類に爬虫類も多いね。日本ではカメやカエル、イモリにオオサンショウウオとそのバリエーションも豊富。故に、河童のような両棲・爬虫類的なフォルムの妖怪の伝承が残っていたりするんだろうなぁと。では、他の国ではどうか。海外では水辺の怪異はどんな生き物をモチーフにしているのかというと...まず浮かぶのは、馬である。馬と言うと意外に聞こえるかもしれないが、あの馬に魚類的な特質が付与されたデザインの妖精・怪物・幻獣をケルピーと呼ぶ。伝承では馬の姿をして歩き疲れた人の前に現れ、その人が背中に乗るや否や川めがけて疾走し騎乗者を溺れさせようとする、なかなかに邪悪なものである。人間の内臓以外の部分を喰らうとも言われている。日本の河童と比べると、なかなかにハードコアだな。
そんなケルピーをカード化したものも数枚ある。今日の1枚は代表的なカードである《川のケルピー》。...うん、見た目が面白い。一体どこが馬なのかと。マキバオーより馬らしくない姿をしている。クリーチャータイプはビーストであり、マジックの多元宇宙の...少なくともローウィン/シャドウムーアでのケルピーは、オオカミウオのような頭と体の境目がない団子のような体型の怪獣である。所謂ブサカワで、愛嬌自体はある。
5マナ3/3で頑強持ち。これだけだとコモンのカードにも劣るが、勿論オマケつき。パーマネントが墓地から戦場に出るたびにカードを1枚引く。また、墓地から呪文を唱えた際にも1ドローだ。パッと思いつくのはフラッシュバックか。すべてのフラッシュバック呪文に1ドローを付与、と書くとそこそこ強そうに聞こえる。また、同ブロックの"回顧"とも相性が良い。時代を進ませれば《束縛無きテレパス、ジェイス》も墓地から呪文を唱えているのでこれなんかと組み合わせればもうアドバンテージが止まらない。これらの呪文の横に添えておいて、ドローを伸ばすエンジンとして使うべきカードであり、積極的に戦闘を行う、というカードではない。まあ自身が頑強で帰ってきて1ドローは確保されているので、ブロッカーに回すのは良いかもしれない。
墓地とからパーマネントが戦場に戻ることの方が条件としては満たしやすいものだろう。《恐血鬼》《イチョリッド》《ナルコメーバ》を要する「ドレッジ」に採用されることもあった。気を付けたいのは《墓所這い》や前回紹介した《マラング川をうろつくもの》と併せた時。これらのカードは墓地から唱えて、そしてパーマネントとして戦場に出るから2ドローだ!と、思ってはいけない。これらのクリーチャーは墓地から唱えられた際に、まずは墓地からスタックという領域を経て、その後戦場に出る。墓地から呪文を唱えた際の能力は誘発するので、1ドローは出来る。《墓所這い》は軽くて循環させやすいので、1ドローとは言え相当に相性は良いだろう。
しかしまあ問題はやはり自身の重さ。5マナはこういうコンボを狙うには少々重いのじゃ...ドローするよりも直接勝ちにつながる効果の方が色々とつかわれたかもしれない。まあ、その辺も含めてなんともかわいらしい1枚なのだが。