精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
タグ：Card of the Day, MTGシングル, the Spirit Dragon, Ugin, 岩SHOW, 精霊龍、ウギン, 運命再編Card of the Day -今日の1枚- 2016/06/09
精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
6月も様々な業務に追われバタバタと...気が付けば、このCard of the Day～今日の1枚～を開始してから丸3年が過ぎていた(2013年6月6日開始)。あぁ、そんなにやってたんやね。そもそもこのコラムを書くに至った経緯は...短くとも、何か毎日内容の違うコラムがあればウェブサイトを訪問する人が安定して稼げるんじゃないですかね？と進言して、実際にそのまんま僕が書くことになったというわけ。今読み返すと、初期の文章量の少なさに驚く。毎日掲載するもんやから無理せずこんなんでいいやろ、と始めたものの...最近では書きたいことが多くて少なくとも1000文字は書きたいところ。これが自分の首を絞めているんやけどね。他所で始めた連載も、開始時はリスト込みで1000文字くらいでいっかと思っていたが、最近では2000以下に収まる方が珍しく...ダラダラと書いてしまわないように、気を付けたいものである(まずこの序文がダラダラ長いが、記念回ということで目をつぶっていただければと)。
当コラムの最初の1枚は《ネビニラルの円盤》。マジックの歴史にその名を遺す、名リセットだ。無色のカードにして、クリーチャーもエンチャントもアーティファクトもまとめて総ざらい。そう言えば最近、そんなカードにお世話になっていたなぁと思い返して、本日紹介する1枚は《精霊龍、ウギン》に決定。
《精霊龍、ウギン》はその名の通り、ウギンをカード化したものだ。ウギンはその二つ名および見た目の通りドラゴンで、旧世代のプレインズウォーカーである。彼は無色の魔法への造詣に深く、またそれを巧みに扱うことが出来る。最も有名なものは《幽霊火》と呼ばれる、彼の赤に起因する炎のブレスを無色へと変質させたものだ。
様々なカード・コミックにて伏線を張ってきたウギンがいよいよカード化とあって、世界中のマジックファンは興奮を隠しきれなかった。しかもこのカードの情報が公開されたのがクリスマスとかでね、ニクいプレゼントをくれたもんやなと思ったもので。無色の8マナで初期忠誠値7という超大型プレインズウォーカーで、＋2能力が彼の得意技でもある《幽霊火》、対象のプレイヤーかクリーチャーに3点ダメージ。ノーコストで3点ダメージの固定砲台とは、さすがは8マナのプレインズウォーカー。そして－X能力。これが冒頭でも触れたリセット能力。有色のマナコストX以下のパーマネントをすべて追放するという、派手すぎるリセット能力だ。8マナと重いカードはその真価を発揮しようにも、それまでに相手が展開してきた物量で押し切られてしまうもの。しかしウギンは、着地と同時に自らの能力で安全な盤面を作り出せる。自衛が出来るのは強いプレインズウォーカーの条件だが、ウギンのこれはそれらの中でも最高峰のものである。ウギンは無色の呪文に長け、自らを無色にすることでこの色を否定する魔法を自滅せずに扱えている、ということなのだろう。ただし残念なことに、彼が古来より対抗し続けているエルドラージ相手にはこの能力が効果を発揮せずに終わってしまう。－10能力はド派手なもので、これはウギンの宿敵でもある《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》の－9能力と対になっている。7点回復7枚ドロー、その後に手札からパーマネントを全展開。なんともド派手、決めればまけることもそうそうないだろう。ここからお代わりウギンへと繋ぎたい、出来れば《倍増の季節》も添えて、もう無茶苦茶やってやりたい。対戦相手には意地でも投了させない。
重いながらも出せればグッと勝利が近づく1枚ということで、「赤緑ランプ」や「トロン」で除去兼フィニッシャーとして活躍。また「アブザンミッドレンジ」などのサイドボードとしても同型相手に出せれば勝ち系のカードとして存在感を発揮していた。これがスタンダードにある頃のランプは楽だったなぁ。《ネビニラルの円盤》が最高のリセットだと信じて疑わなかった中学生の頃の僕に、こんなカードが出るんだよと見せてやりたいものである。こんなことを言っている自分に、数年後の僕がどんなカードを見せてやりたいと思っているのか。そんなことも楽しみにしながら、それじゃあ連載4年目を迎えるとしますか！マジック：ザ・ギャザリングの良さを伝える仕事、とことんやってやるってぇ！