死体生まれのグリムグリン/Grimgrin, Corpse-Born

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/07/09

死体生まれのグリムグリン/Grimgrin, Corpse-Born

死体生まれのグリムグリン/Grimgrin, Corpse-Born

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次元イニストラードには「スカーブ師」という職業がある。スカーブ縫い、単に縫い師と呼んだりもするが、要するにスカーブというゾンビを作り出す錬金術師のことである。墓から死体を掘り起こし、その死体を魔術的に蘇らせたものがグールであり、これに対してスカーブは死体を継ぎはぎした後に屍錬金術を用いて作られる怪物である。同じゾンビでも、その誕生経緯は大いに異なるというわけ。屍術を用いる姉・ギサとは別の道・屍錬金術を極めたのがゲラルフだ。セカーニ家の姉弟はその思想の違いから反発しあっていたが、ゾンビの連合軍でミケウスぶっ殺し大作戦を行ったり、イニストラードの次元レベルの危機には団結して1枚のカードになったりで、なんだかんだ仲の良い兄弟である。「心温まる感想ですな、姉上」の一言はネットでもひそかな流行を見せたものである。

 

このゲラルフが作成したゾンビの中でも、最も有名なものがグリムグリンだ。固有名詞がついているぐらいだからね。そのサイズは3メートルほどか。その頭部は胸部より生えており、鉄の格子のようなもので囲われている。その左手は鎖鎌になっており、それで標的をバラバラにしてしまう。その性質は極めて凶暴。普段はゲラルフの側にいるわけでもなく(おそらくコントロール不能なのだろう)、ムーアランドと呼ばれる地を彷徨っている。このゾンビに出会おうものならもはや命はないものと思った方がいい。この凶暴極まる怪物を創造してしまったゲラルフは、彼自身でもこの無敵のゾンビを恐れたのであろう、これに対して「グリムグリン」という名を与えている。グリムは今週のテーマにもなっている「不気味」、グリンはマジックのテンプレート的には「にやにや笑い」。彼の姉であるギサがいつも見せる、歯を剥き出しにした不気味なにやにや笑いに「敬意を表して」、この名を授けたらしい。

 

そんな心持たぬ殺人マシンは、ゾンビを率いる将軍役を務めたことがあるのも伊達ではないパワフルなカードとなっている。《死体生まれのグリムグリン》だ。青黒の5マナ5/5、しかし戦場にはタップイン&通常のアンタップステップでは起き上がらないという、そのコントロールの難しさを体現したかのようなデメリット能力を持っている。このゾンビは、あなたが他のクリーチャーを生け贄に捧げることで初めてこちらの言うことを聞いてくれる=アンタップする。その時に、+1/+1カウンターを1個得るというのだから、やる気の時にはとことんなタイプである。そしてこれがひとたび攻撃すれば、対戦相手がコントロールするクリーチャーを1体破壊して再度+1/+1カウンターを得るのだ。かなりの確率で対戦相手に7点を叩き込むことが出来、それがコントロールするクリーチャーも奪ってしまう。もう一度殴れば9点。もうこのあたりで勝負ありだ。

 

デメリットは大きいが、こちらのクリーチャーがさながら除去呪文となって相手のクリーチャーを破壊するので1:1交換なので何も問題なし。アタック後にこれでアンタップすることで警戒持ちかのように運用することも出来る。生け贄に捧げるのが《墓所這い》とかなら100点だ。当時の青黒のゾンビデッキでは個人的には世話になっている。それに、EDHで友人がこれを使ってブイブイ言わせていたのも懐かしい。色んなカードと所謂無限ループを形成するし、もしそれらのコンボが噛み合わなくてもジェネラルとしては十分にパワフルなのが強かったね。

 

カードイラストは薄暗くてなんとも不気味だが、Magic Online上で手に入れることの出来るアバターカードでは妙にカッコイイ顔をしているので、一度見てほしいね。以上、「不気味ウィーク」でした。

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