ティムールの激闘/Temur Battle Rage

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/07/27

ティムールの激闘/Temur Battle Rage

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二段攻撃。色々とネタにされるエキスパンション『レギオン』も、この能力を生み出しただけでも価値があろうというもの。先制攻撃タイミングと通常のタイミングで戦闘ダメージを与えられる、今となっては定番のキーワード能力。これを持つクリーチャーはカードに書いてある数字の倍のパワーを持っているようなもので、《巨大化》系の呪文の効果も2倍になるとあってシンプルにしてデストロイヤー。理想としてはデッキのクリーチャーが全部これを持っていたりしたら最高なんだが、いずれもマナコストや色拘束が強烈なものが多く、軽いと元のサイズが小さくなってしまうというのが難点。

 

この能力を持ったクリーチャーが扱いづらいのであれば、扱いやすいサイズの良いクリーチャーにこの能力を後乗せしてやるのはどうだろうか?ということで、様々な形でそれを付与するカードが出された。...のだが、それらのカードもどちらかといえば扱いづらいものが多め。構築シーンで活躍するには、隙だらけだったりオーバーキルだったり。そんな中、『運命再編』にて登場した《ティムールの激闘》はこれまでの二段攻撃付与カードの中でも群を抜いて使いやすく強力なもので、多くのプレイヤーが驚かされたものだった。

 

2マナのインスタントで対象のクリーチャーに二段攻撃を付与、これはなかなか。これまでも《二度裂き》《病的な憤激》が同様のパフォーマンスを持つカードだったが、多色のクリーチャーにしか使えなかったり、赤と白にこれで二段攻撃を与えて美味しいクリーチャーもいなかった。それからしばらくの時を経て登場した久々のこのスペックの呪文だが、これがまぁ時代に合っていたよね。このカードはその名のとおりティムールに属するカードで、ティムールのキーワード能力"獰猛"を持っている。パワー4以上のクリーチャーをコントロールしていれば、二段攻撃のみならずトランプルも付与してやれる。二段攻撃+トランプルの破壊力は、一度経験すると病みつきになる。相手のブロッカーを1回目のダメージで倒しつつトランプルで抜けるダメージが数点、その後2回目のダメージで対戦相手に致命傷を与える...このトランプル付与を含めると、とてもじゃないが2マナのカードとは思えない破壊力を生み出すわけだが...パワー4のクリーチャーをそんな簡単にコントロールしているものなの?してるんだなぁこれが。このカードがスタンダードリーガルだった頃は、上陸でパワーを上昇させる《マキンディの滑り駆け》とフェッチランドの組み合わせや、《僧院の速槍》のような簡単にパワーを上昇させる果敢クリーチャーで簡単に達成できる。そして必殺の組み合わせ・探査で唱える《強大化》×《ティムールの激闘》は、ワンパンチ20点ダメージすら可能にした。本当に恐ろしいカードだったなぁ。

 

このカードといえば、僕が初めてプロツアー実況のお仕事をさせてもらったプロツアー『運命再編』を思い出す。ドラフトラウンドにおけるマーティン・ミュラーvsズヴィ・モーショヴィッツの名勝負だ。《ティムールの激闘》を絡めた一撃必殺を狙う若き新星マーティンと、そうはさせじと除去で迎え撃つズヴィ。二人の攻防はまるで居合の達人や西部のガンマンの決闘。先に抜いたほうが勝つか、あるいは...マーティン怒りの3部作、未見の方は是非楽しんで!

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