森安元希『Begginer 5 Wins! 2017』マジック初心者に勧める5つのデッキ

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Text by 森安 元希

 

 


このコラムでは最初に5つのデッキリストを紹介します!

 

『アモンケット』『カラデシュ』『霊気紛争』の3セット。それらに加え、番外カード(※)を用いて組みました。

 

(番外カード=『ウェルカムデッキ』や『プレインズウォーカーデッキ』などに収録されている、通常のパックからは出てこないカード。スタンダードやモダンなど通常の構築ルールでも使用できる。)

 



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夜市.jpg暴走急行.jpg

最初に紹介するのは黒のデッキです。

《暴走急行》は見かけ以上に危険な機体です。
《致命的な一押し》で露払いをして
《夜市の見張り》で搭乗してゆけば
相手のライフはたちまち枯れるでしょう。

《超常的耐久力》は"破壊されない"とは明確に異なる挙動を招きます。
《夜市の見張り》はタップ状態で戻ってきますし、
《霊気毒殺者》《亢進するネズミ》は再びエネルギーを供給します。
そしてハンドにある《ホネツツキ》を1マナで唱えてみましょう!



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黒と対比される白のデッキも紹介します。

結束のカルト―シュ.jpg結束の試練.jpg

《結束のカルトーシュ》と《格納庫の整備士》によって
《結束の試練》を何度も使いまわしてパワー/タフネスを上げて勝ってゆきましょう。
不朽を持つ《聖なる猫》と《断固たる修練者》は"場持ち"の良いクリーチャーで
《結束のカルトーシュ》を付ける先としても優秀です。

そして《排斥》はあらゆる障害となるパーマネントを、名前のとおり排斥できます。



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導路の召使い.jpg横断地のクロコダイル.jpg

2色デッキです。

緑を中心に、赤が入っているので"緑タッチ赤"と呼ばれるカラーリングになります。
《導路の召使い》から《横断地のクロコダイル》に繋げる速攻パターンや
大量のエネルギーから《牙長獣の仔》を育てたり《蓄霊稲妻》で焼け野原にするプラン、
《ピーマの霊気予見者》でやっかいなクリーチャーを有利な形で戦闘に巻き込んだりと多様な戦法が取れます。



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血に飢えた振起者.jpg血怒りの喧嘩屋.jpg


速攻を得意とする赤はスムーズに動けることを意識したリストです。

《血に飢えた振起者》から《血怒りの喧嘩屋》に繋がれば勝利は間近です。
殴って殴って、相手が展開しだす前にゲームを終わらせられるスピードを持ちます。



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謎めいた海蛇.jpg本質の散乱.jpg

最後に、他の4つとは大きく方向性が異なるデッキリストを紹介します。
コントロールと呼ばれる類のデッキです。
相手の攻勢をしのいで、しのいで、しのいで、相手の展開を全ていなしてから攻めに転じるデッキです。
勝ち筋は、打ち消し呪文を構えながら軽くプレイできる《謎めいた海蛇》と
相手のパーマネントを奪う《主張》の2種類だけです。

 



以上、5つのデッキリストと簡単な説明でした。

『カラデシュ』『霊気紛争』、それに『アモンケット』といくつかのカードプールで組んだデッキと書きましたが、実はもう1つ制限を用意しています。

コモンとアンコモンのみを使用しているという点です。

 

実は過去、同様の試みを『タルキール覇王譚』、『運命再編』、『タルキール龍紀伝』、『マジック・オリジン』の組み合わせでも行っています(1年半ほど前の『Begginer 5 Wins!』です。)。

 

スタンダード・フォーマット目線で、1回目から完全にプールがローテーションしたこと、また『戦乱のゼンディカー』ブロックと『イニストラードを覆う影』ブロックが秋にはローテーション落ちすることを受け、今回も、マジックの完全な初心者向けのデッキリストの一例として5つのリストを挙げました。

 

以前からプレイされている皆さんの回りにも、周囲の友人に触発されてマジックに興味を持たれて始めた方や、これからまさに始めようとされてる方がいらっしゃるかもしれません。

そうした方々に、一例として紹介して欲しいデッキリストです。

 

前回からの繰り返しになりますが、どうしてもローテーション落ちというシステムは初心者の方にはつかみにくいと思います。まして、今回からは2ブロックが同時に落ちるという変更が加わっています。

「組んだばかりのデッキのうち、すぐさま使えなくなるカードが入っている。」というのは、モチベーションを保つ上で阻害の要因になりやすいのではないでしょうか。

ですので、『カラデシュ』『霊気紛争』と『アモンケット』のみで構築したリストの提案をしました。

 

レア(+神話レア)を入れていないのも、同様の理由です。カードの入手性に関しては、Big Webや各種ウェブ通販がありますので、「地方在住だから、どうしても入手できないカードがある」というようなことにはなりにくい現状だとは思いますが、やはり「高価で買えない」というような否定的な感情の芽生えは、ゲームを始めること自体を諦める要素にもなりかねません。

 

また、ゲームを紹介する側(今この記事を読んでくれている、あなたですね)がデッキを用意する場合でも、これらのデッキであればリミテッドの余りなどであまり負担なく大半を組んでいただけるかな、と思います。

(※《致命的な一押し》や《検閲》など、余るカードではないよ。というご指摘は、最もですが...そこは適宜調整していただれば。)

 

出来るだけ始める方・勧める方のお互いに負担のない形として、今回の構築方法を提案しました。

 

このリストをベースに、パックで剝かれたレアを入れたバージョンを試し、神話レアを勧めてその強さを体感してもらう。という、段階を踏んだ『最初の遊び方』を楽しんでいただきたいです。

 

少し文面を変えましたが、ここまでは前回と同じ紹介です。

前回は、筆者自身がダメージ・シークエンスに基づき4ターンキルを目指すデッキを構築するコラム「Damage 4 Wins」を寄稿している関係もあって、各カラーで4ターンキルを目指すデッキを組みましたが、今回はそういった縛りなくデッキ毎に戦法の特徴を持たせることとしました。

ビートダウンが基本ではありますが、青はコントロールを紹介しています。

緑は多色(2色)デッキを紹介しています。カラーパイ(色毎の役割分担)を前面に出した形となりました。

 

これらのデッキを初心者に勧めた後は、初心者本人がプレイしてみて、どういったところが楽しいか・魅力が足りないか・どこが難しかったかなどを確認して、それを満たすコンセプトの方向にともに調整していく。といった手順にしていただければ、と思います。

 

『クリーチャーを出す、攻撃する』以外にも出来ることが多いデッキがいくつかあります。

どのようなことが出来るのか。これらのデッキを話のきっかけにして、紹介してみてください。

 

「当分大会には出ないので、スタンダードに限定する必要はないから昔のカードも使いたい」のか、「負担の少ない範囲の予算は幾ら」なのか、少し予算をオーバーしても勧めたいレアカードがあるのか、もしくはスポンサード・プロを目指して競技一直線で行く決心があるのか―...同じように一斉に始めたグループのなかでも、それぞれ思惑が変わってくると思います。

 

今回紹介したリストを、ほんのキッカケの一つにして、仲間や初心者とコミュニケーションを取っていくプレイヤーが増えれば嬉しいな、と思っています。

 

それでは。森安でした。